広告、GA4、CRMなど、マーケティングのデータはツールごとに分かれています。
キャンペーン別のCPAを比べる、成果が落ちた原因を調べるといった分析のたびに、管理画面からデータを書き出し、スプレッドシートで集計する作業が発生し、分析そのものに時間を割けないことも少なくありません。
ClaudeやChatGPTなどの生成AIを使えば、この集計や要因の分析を日本語の指示だけで行えます。
ただし、AIにデータを渡す方法によって、手軽さや扱えるデータの範囲は大きく異なります。CSVを添付する方法だけを試して「毎回の書き出しが面倒」「データが大きくて扱えない」と感じ、使わなくなるケースもあります。
本記事では、Claudeでデータ分析を行う3つの方法を、広告データを使った実践例とあわせて解説します。
AIデータ分析でできること・できないことや、ChatGPTとの使い分けにも触れ、後半ではClaudeを使ったマーケティング分析について、目的別に読むべき記事も紹介します。
AIデータ分析とは
AIデータ分析とは、ClaudeやChatGPTなどの生成AIに自然な文章で指示し、データの集計・可視化・要因の分析を行う方法です。
これまでのデータ分析では、Excelの関数やSQL、BIツールを使いこなす必要がありました。AIデータ分析では、これらの操作をAIが代わりに行います。
「キャンペーン別にCPAを集計して」「悪化している理由を説明して」と依頼すれば、AIが計算の手順を組み立て、結果と考察を返します。専門的な操作の知識がなくても分析でき、分析にかかる時間も短縮できます。
AIデータ分析でできること・できないこと
AIデータ分析が得意なのは、手元のデータを集計し、読み解く作業です。
- できること:条件を指定した集計(キャンペーン別・月別のCPAなど)、グラフやダッシュボードの作成、数字の変化から要因の仮説を出すこと、次の施策の案を出すこと、レポートの文章にまとめること
- できないこと:渡していないデータについての回答(広告の費用しか渡していなければ、受注にどれだけつながったかは分かりません)、データに表れない事情の判断(競合の動きや社内の施策の変更など)、仮説が正しいかどうかの証明
簡単な回帰やトレンドの延長であれば、コードを実行して試算できます。一方で、需要予測のように業務で継続して使う予測モデルは、精度の検証や更新の仕組みを含めて別に設計する必要があります。
AIの答えは、渡したデータの範囲での集計と仮説だと考え、施策を決める前に人が確認します。
Claudeでデータ分析する3つの方法
Claudeにデータを渡す方法は、大きく次の3つに分けられます。ChatGPTでも同じ考え方で使い分けられます。
| 方法1:CSV添付 | 方法2:コネクタ接続 | 方法3:データ基盤との連携 | |
|---|---|---|---|
| 事前準備 | ◎ 不要 |
○ ツールごとに接続の設定 |
△ データ基盤の構築 |
| 運用時の作業 | × 毎回書き出して添付 |
◎ 不要 |
◎ 不要 |
| 扱えるデータ量 | △ ファイルの上限まで |
○ ツールの仕様による |
◎ 大量のデータも集計できる |
| 複数のデータの横断 | △ 手作業で突き合わせれば可能 |
△ ツールごとに個別に参照 |
◎ 広告・GA4・CRMを横断 |
| 適した用途 | まず試す、単発の分析 | 普段使うツールの手早い確認 | 継続的な分析、売上までの評価 |
◎:優れている ○:十分 △:制約がある ×:対応できない、または負担が大きい
順に解説します。
方法1:CSVをClaudeに添付して分析する
最も手軽な方法です。ClaudeでもChatGPTでも、同じ流れで実施できます。
Claudeでは、CSVやExcelのファイルをチャットに添付し、AIにコードを実行させて集計やグラフの作成を行います。2026年10月時点で、コードの実行とファイルの作成は無料プランを含むすべてのプランで利用できます(Create and edit files with Claude(別タブで開く))。
無料・Pro・Maxプランでは初期設定でオンになっています。オフになっている場合は、設定の「機能」で「コード実行とファイル作成」をオンにしてから使います。
CSV分析の手順
- データを準備する:分析したいデータをCSVやExcelで書き出します。個人名や顧客名など、AIに渡す必要のない情報は事前に削除するか、置き換えておきます
- 中身を確認させる:ファイルを添付し、まず列の構成・期間・欠損を確認させます。最初にデータの品質を把握しておくと、後の集計の誤りを防げます
- 集計・可視化・レポートを依頼する:「〇〇別に△△を集計して」「グラフにして」「サマリーにまとめて」と、続けて依頼します
【実践例】広告データのCSVでCPAの悪化を調べる
例として、4つのキャンペーンの3か月分の広告データ(日付・キャンペーン・費用・CVの4列)をClaudeに添付し、分析を依頼します。
まず、データの中身を確認させます。
プロンプト例
添付したCSVの列の構成、期間、行数、欠損の有無を教えてください。
Claudeは列ごとの型や値の範囲に加え、重複している行や欠損している行も指摘します。次に、キャンペーン別のCPAを集計させます。
プロンプト例
キャンペーン別・月別に費用・CV・CPA(費用÷CV)を集計し、CPAが悪化しているキャンペーンと改善しているキャンペーンを教えてください。CVが0の行はCPAの計算から除いてください。

キャンペーン別のCPAの集計(デモ用のデータ)
関数やピボットテーブルを使わずに、集計から悪化・改善の切り分けまでが返ってきます。この例では、新規向けのディスプレイ広告のCPAが月を追って悪化し、既存顧客向けのリターゲティング広告とブランド検索のCPAは改善していました。
続けて、要因の仮説と次の施策をレポートにまとめさせます。
プロンプト例
CPAが悪化しているキャンペーンについて、費用とCVの動きから要因の仮説を立て、次の施策を3つ提案するレポートを作成してください。

作成されたレポート(デモ用のデータ)
最後に、推移をグラフにします。
プロンプト例
キャンペーン別のCPAの月次推移を折れ線グラフにし、ダッシュボードにまとめてください。

キャンペーン別のCPA推移のダッシュボード(デモ用のデータ)
作ったダッシュボードを社内で共有し、データの更新に合わせて自動で反映させる方法は、「Claude Codeでダッシュボードを作成する方法|自動更新と社内共有(別タブで開く)」で解説しています。
AIの考察は、あくまで検討のたたき台です。施策を決める前に、重要な数字は担当者が確認します。
CPAが悪化したときの原因の切り分け方は、「CPAとは?悪化の原因と改善方法(別タブで開く)」で詳しく解説しています。
CSV分析の限界
CSVの添付だけでも十分に実用的ですが、継続して使うと次の制約に直面します。
- 毎回の書き出しが必要:分析のたびに管理画面からデータを書き出して添付する必要があり、常に最新のデータで分析できるわけではありません
- 扱えるデータ量に上限がある:2026年10月時点のClaudeでは、チャットに添付できるのは1ファイル500MBまで、1つのチャットで20ファイルまでです(Upload files to Claude(別タブで開く))。長期間の日別データなどは、上限に達したり処理に時間がかかったりします
- 複数のデータを横断しにくい:広告・売上・顧客のデータが別々のファイルに分かれていると、結び付けて分析するのに手間がかかります
ファイルが大きい、数が多いといった場合は、手元のファイルを直接読み込めるClaude Codeを使う方法もあります。手順は「Claude Codeでデータ分析する方法|CSV集計からレポートまで(別タブで開く)」で解説しています。
方法2:ClaudeやChatGPTのコネクタで業務ツールに接続する
ClaudeやChatGPTには、外部のツールに直接接続する機能があります。接続には、AIが外部のデータやツールとやり取りするための標準規格であるMCP(Model Context Protocol)が使われています。
接続しておけば、CSVを書き出さずに、ツールのデータに日本語で質問できます。
Claudeでは、この機能を「コネクタ」と呼びます。2026年10月時点の仕様は次のとおりです(Use connectors to extend Claude’s capabilities(別タブで開く))。
- ディレクトリのコネクタ:Anthropicやパートナー企業が提供するコネクタで、すべてのユーザーが利用できます。Google Drive、Microsoft 365(SharePoint・OneDriveなど)、Box、Notion、Slack、HubSpotなどがあります(Claudeのコネクタ一覧(別タブで開く))
- カスタムコネクタ:ディレクトリにないMCPサーバーを、URLを指定して追加します。無料プランで追加できるのは1つまでです

Claudeのコネクタの設定画面
ChatGPTでも、外部のツールを「アプリ」として接続できます。利用できるアプリや機能はプランによって異なるため、OpenAIのヘルプで最新の情報を確認してください。
データ分析では、スプレッドシートや資料を保存しているストレージ(Google Drive、SharePointなど)と、CRMなどの業務ツールへの接続がよく使われます。
コネクタ接続のメリット
- 書き出しの手間がなくなる:接続したツールのデータを、チャットから直接参照できます
- 最新のデータで分析できる:接続した範囲のデータは、その時点の内容が参照されます
コネクタ接続の限界
- ツールごとに個別に参照する:コネクタはツールごとに接続するため、広告の費用とCRMの受注金額を結び付けるといった横断の分析には向きません
- ツール単体では答えられない問いがある:たとえばHubSpotを接続すれば、「先月の新規の取引は何件か」といった現状の確認には答えられます。一方で、「広告費に対してどれだけ受注につながったか」のように、ほかのデータとの結合が必要な問いには答えられません
- 取得できるデータはコネクタの仕様に依存する:管理画面で確認できる指標でも、コネクタ経由では取得できない場合があります
方法3:データ基盤に集約し、MCPでClaudeに接続する
継続的に分析するなら、当社が推奨するのがこの方法です。
広告・GA4・CRM・売上などのデータを、BigQueryなどのデータウェアハウス(分析用のデータベース)に集約し、そこにClaudeやChatGPTをMCPで接続します。
データウェアハウスには、SnowflakeやDatabricksなどの選択肢もあり、社内ですでに使っているものがあれば活用できます。
方法2がツールごとに個別に接続するのに対し、方法3はデータを1か所に集めてから接続します。データはデータ基盤にまとめて置き、AIには日本語で質問する窓口を担わせる、という考え方です。
データ基盤にかかる費用の目安と、小さく始める進め方は、「データ基盤の費用の目安|ツールの月額試算と構築・運用の考え方(別タブで開く)」で解説しています。

データ基盤に集約してAIに接続する流れ
この構成には、次のメリットがあります。
- 大量のデータも正確に集計できる:AIがSQLを作成し、集計はデータ基盤の側で行うため、行数が多くても処理できます
- 常に最新のデータで分析できる:データが毎日自動で更新されるため、書き出しの作業が不要です
- SQLを書かずに横断の分析ができる:広告・アクセス解析・顧客のデータを結び付けた分析を、日本語の指示だけで行えます
AIをつなぐ前提となるデータ基盤の例として、当社が支援した株式会社ビビッドガーデン様(産直EC「食べチョク」を運営)では、データをBigQueryに集めて定義をそろえ、BIツールのRedashで、エンジニアに依頼せずに各部門の担当者が自分でデータを引き出せる環境を整えました。
集計の依頼や部門間の数値合わせに使われていた時間がなくなり、議論をデータの解釈と次の施策に向けられるようになっています(「エンジニアに頼まずに、誰もが自分でデータを引き出せる状態に(別タブで開く)」)。
ClaudeとBigQueryを組み合わせる理由
当社では、マーケティングの分析環境としてClaudeとBigQueryの組み合わせを推奨しています。
Claudeを使う理由は次のとおりです。
- SQLの作成と可視化が得意:データベースへの問い合わせに使うSQLを作成するだけでなく、目的に合ったグラフの作成や、結果の解釈まで行えます
- 前提の情報を整理・共有しやすい:Claudeの「プロジェクト」に、データの構成、指標の定義、事業の概要を書いておくと、すべての会話でその前提が参照されます。分析の手順を「スキル」として登録すれば、定型の分析を一言で実行できます
- データ分析向けのプラグインがある:2026年10月時点で、Claudeの有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)では、スキルやコネクタをまとめた「プラグイン」を利用でき、データ分析向けのものも用意されています(Use plugins in Claude(別タブで開く))
BigQueryを使う理由は次のとおりです。
- データソースを横断して分析できる:「Google広告のキャンペーン × GA4のセッション × HubSpotの受注」を、1つの質問で聞けるようになります。これはBigQueryに限らず、データウェアハウスにデータを集めることによるメリットです
- Googleの製品と連携しやすい:GA4とサーチコンソールには、BigQueryにデータを書き出す機能が標準で用意されています
- 小さく始めやすい:2026年10月時点で、BigQueryには毎月10GiBのストレージと1TiBのクエリ処理までの無料枠があります(BigQuery pricing(別タブで開く))
データ基盤を使った分析の例
業種を問わず使える分析を3つ紹介します。
広告チャネル横断の真のCPA・ROAS
Google広告とMeta広告の費用、GA4のセッションとCV、CRMの受注金額を結び付け、受注を基準にしたチャネル別のCPAとROASを算出します。
広告の管理画面のROASは、広告の計測上のCVだけを基準にしているため、CRMの受注金額と突き合わせると評価が大きく変わることがあります。

Claudeで作成した、受注を基準にしたチャネル別のCPA・ROAS(デモ用のデータ)
指名検索と受注の関係
サーチコンソールの指名キーワードの表示回数・クリック数と、CRMのパイプライン金額・受注金額を月別に並べます。認知を高める施策を行った後に、指名検索と商談がどう変化したかを確認でき、広告やPRの効果を検証しやすくなります。

Claudeで作成した、指名検索と商談・受注の月次推移(デモ用のデータ)
LTVの高い顧客の流入経路
CRMの取引データと、顧客の初回の流入経路を結び付け、LTVの高い顧客がどのチャネルから来ているかを確認します。新規顧客の獲得費用をLTVとの比較で評価し直すと、CPAの上限を引き上げてよいチャネルが分かります。

Claudeで作成した、チャネル別のLTV(デモ用のデータ)
環境の全体像
環境は、次の4つの層で考えます。

分析環境の4つの層
| 層 | 役割 | 主なツール |
|---|---|---|
| データソース | データの発生元 | Google広告、Meta広告、TikTok広告、LinkedIn広告、HubSpot、Salesforce、GA4、サーチコンソール、Shopify、自社のデータベースなど |
| 集約 | すべてのデータを1か所に集める | BigQuery |
| 接続 | データ基盤とAIの間を取り持つ | BigQuery用のMCPサーバー |
| 対話 | 日本語で質問する | Claude、ChatGPT |
あとは、「データソースからBigQueryにどう集めるか」と「BigQueryからAIにどう接続するか」の2点を設定すれば、環境ができあがります。
構築の手順①:広告とCRMのデータをFivetranでBigQueryに集める
広告(Google広告・Meta広告・TikTok広告・LinkedIn広告など)とCRM(HubSpot・Salesforceなど)のデータは、Fivetranなどのデータ統合ツールでBigQueryに転送します。
Fivetranは、各サービスのAPIからデータを取得し、BigQueryに書き込み続けるサービスです。2026年10月時点で700以上のコネクタがあり、月50万行(MAR:月間アクティブ行数)まで使える無料プランがあります(Fivetran Pricing(別タブで開く))。
設定の流れは次のとおりです。
- 書き込み先(Destination)にBigQueryを指定する
- 読み込み元(Connection)にGoogle広告やHubSpotなどを追加し、認証する
- 同期の間隔と、同期するテーブルを選ぶ
Fivetranでできることや料金、導入時の注意点は、「Fivetranとは?広告データ統合でできること・料金・始め方(別タブで開く)」で解説しています。
構築の手順②:GA4とサーチコンソールのデータをBigQueryに書き出す
GA4とサーチコンソールは、Googleが提供する書き出しの機能でBigQueryにデータを送れます。Fivetranを経由する必要はありません。
2026年10月時点の仕様は次のとおりです。
- GA4:管理画面の「BigQuery のリンク」から、書き出し先のプロジェクトを指定します。毎日自動で書き出され、レポート画面では確認できない細かい単位で分析できます。標準プロパティでは1日100万イベントが上限で、書き出されるのは設定した日以降のデータです(BigQuery Export - アナリティクス ヘルプ(別タブで開く))
- サーチコンソール:「一括データエクスポート」を設定すると、検索パフォーマンスのデータが毎日BigQueryに書き出されます。請求先を設定した Google Cloud プロジェクトが必要で、設定前の期間のデータは書き出されません(新しい一括データのエクスポートを開始する(別タブで開く))
どちらも過去にさかのぼって書き出されないため、早めに設定しておくことをおすすめします。
構築の手順③:BigQueryをMCPでClaudeに接続する
最後に、BigQueryとClaudeを接続します。Claudeのコネクタの一覧(ディレクトリ)には「Google Cloud BigQuery」が用意されており、Google Cloudで作成したOAuth クライアントの情報を入力して接続します。
接続先は、Google Cloud が提供する「BigQuery リモート MCP サーバー」です。2026年10月時点では、BigQuery APIを有効にすると、このMCPサーバーも利用できる状態になります(BigQuery リモート MCP サーバーを使用する(別タブで開く))。
具体的な設定手順は、「ClaudeとBigQueryを連携する方法|MCPの接続手順と分析例(別タブで開く)」で解説しています。ChatGPTで接続する場合は、「ChatGPTでGoogle広告を分析する方法(別タブで開く)」をご覧ください。
接続できたかどうかは、次の順に質問すると確認できます。
プロンプト例
BigQueryのデータセットの一覧を見せてください。
プロンプト例
google_adsのデータセットにあるテーブルの一覧と、各テーブルの行数を教えてください。
プロンプト例
直近7日間のキャンペーン別の費用とコンバージョン数を出してください。
データセット名は、自社の環境に合わせて書き換えてください。最後の質問に集計結果が返ってくれば、環境は完成です。
データ基盤との連携でつまずきやすい点
- 権限:AIの接続に使うGoogleアカウントに、BigQueryのデータの閲覧とクエリの実行の権限が必要です
- 前提の情報:テーブルの構成や指標の定義を事前に伝えておくと、分析の精度が上がります。前提の書き方は「ClaudeのスキルでGoogle広告の専属AIアナリストを作る方法(別タブで開く)」で、テンプレートとあわせて紹介しています
- 機密データ:データ基盤に載せるデータの範囲と、誰がどのデータを参照できるかを、最初に設計しておきます
自社に合ったやり方の選び方
| 目的 | 適したやり方 |
|---|---|
| まずAIによる分析を試したい、単発で分析したい | 方法1(CSV添付) |
| 普段使っているツールのデータを手早く確認したい | 方法2(コネクタ接続) |
| 大量のデータを、最新の状態で、横断して継続的に分析したい | 方法3(データ基盤との連携) |
最初から方法3を作り込む必要はありません。方法1でAIによる分析の進め方をつかみ、継続的に使う段階で方法3に広げる流れをおすすめします。
Google広告を例に、3つの方法を詳しく比較した記事もあります(「Google広告をAIで分析する3つの方法(別タブで開く)」)。
ClaudeとChatGPTのどちらを使うか
データ分析に使う基本の機能は、2026年10月時点でどちらにもそろっています。
| Claude | ChatGPT | |
|---|---|---|
| ファイルの分析 | CSVやExcelを添付し、コードを実行して集計・グラフ作成(Create and edit files with Claude(別タブで開く)) | CSVやExcelを添付し、Pythonを実行して集計・グラフ作成(Data analysis with ChatGPT(別タブで開く)) |
| 外部ツール・MCPへの接続 | 「コネクタ」。カスタムコネクタは無料プランでも1つまで追加できる(Use connectors to extend Claude’s capabilities(別タブで開く)) | 「アプリ」。任意のMCPサーバーの接続は開発者モードで行い、使える範囲はプランによって異なる(Developer mode and MCP apps in ChatGPT(別タブで開く)) |
| 前提の共有 | 「プロジェクト」に指示とファイルを置く。手順は「スキル」として登録できる(What are projects?(別タブで開く)) | 「プロジェクト」に指示とファイルを置く(Projects in ChatGPT(別タブで開く)) |
どちらが優れているかより、次の観点で選ぶのが現実的です。
- 社内ですでに契約しているもの:データを渡すルールや権限の管理を、既存の契約に合わせられます
- 接続したいツールに対応しているか:使いたいデータ基盤や業務ツールのコネクタ(アプリ)があるか、自社のプランでMCPサーバーを追加できるかを確認します
- 定型の分析を繰り返すか:同じ分析を繰り返すなら、前提や手順を登録しておける機能を使いこなせる方を選びます
当社がClaudeを推奨する理由は、方法3の「ClaudeとBigQueryを組み合わせる理由」で説明しています。ChatGPTでBigQueryに接続する手順は「ChatGPTでGoogle広告を分析する方法(別タブで開く)」で解説しています。
Claudeでのマーケティング分析:目的別の記事一覧
ここからは、Claudeを使ったマーケティング分析について、目的や段階に応じて読むべき記事を紹介します。
すべてを一度に進める必要はありません。自社で最も予算を使っている広告媒体から始め、GA4やサーチコンソール、CRMへと範囲を広げていく順番をおすすめします。
まず1つの広告媒体をClaudeで分析する
最初は、自社で最も予算を使っている広告媒体のデータをClaudeに接続し、分析させてみます。管理画面と違い、「なぜCPAが上がったのか」の仮説まで返ってくることを実感できます。
- Google広告:「ClaudeでGoogle広告を分析する方法(別タブで開く)」(ChatGPTの場合は「ChatGPTでGoogle広告を分析する方法(別タブで開く)」)
- Meta広告:「ClaudeでMeta広告を分析する方法(別タブで開く)」
- Yahoo!広告:「ClaudeでYahoo!広告を分析する方法(別タブで開く)」
Google広告の分析の精度を高める
毎回同じ前提を説明する手間をなくし、定型の分析を一言で実行できるようにする方法は、「ClaudeのスキルでGoogle広告の専属AIアナリストを作る方法(別タブで開く)」で解説しています。
CPA・ROASの悪化の原因を調べる
成果が悪化したときに、どの指標とキャンペーンが原因かを切り分ける方法です。
広告レポートの作成を自動化する
週次・月次のレポートを、集計から考察まで定期的に自動で作成する方法は、「広告レポートをAIで自動化する方法(別タブで開く)」で解説しています。
広告とGA4・サーチコンソールを組み合わせて分析する
広告のデータだけでは、「クリックは獲得できているのにCVが出ない」原因は分かりません。GA4のデータと組み合わせると、LPのどこでユーザーが離脱しているかまで確認できます。
サーチコンソールと組み合わせれば、SEOの改善の優先度も決めやすくなります。
- GA4単体:「ClaudeでGA4を分析する方法(別タブで開く)」
- Google広告とGA4:「Google広告とGA4をBigQueryで統合分析する方法(別タブで開く)」
- サーチコンソールとGA4:「ClaudeでサーチコンソールとGA4を分析する方法(別タブで開く)」
複数の広告媒体・販売チャネルを横断して分析する
媒体ごとに管理画面を見比べるのではなく、データを統合して同じ基準で比較する方法です。
- 広告媒体の横断:「広告の媒体横断分析をAIで行う方法(別タブで開く)」
- ECの販売チャネルの横断:「複数モールの売上分析を一元化する方法(別タブで開く)」
CRMや顧客のデータまで分析を広げる
広告の成果を受注やLTVで評価するには、CRMや顧客のデータとの結合が欠かせません。
- HubSpot:「ClaudeでHubSpotのデータを分析する方法|接続手順と限界(別タブで開く)」
- 解約の分析:「チャーン分析のやり方(別タブで開く)」
AI検索で自社がどう扱われているかを調べる
SEOに加え、ChatGPTやClaudeの回答に自社のサイトが引用されているかどうかも、今後のマーケティングでは重要になります。調べ方は「LLMOの調べ方|自社サイトがAIの回答に引用されているか確認する方法(別タブで開く)」で解説しています。
データ基盤を構築する
広告やCRMのデータをデータウェアハウスに自動で集約する方法です。
AIデータ分析の注意点
- 重要な数字は検算する:合計や件数は、集計の条件によってずれることがあります。結果に疑問があれば、「どのデータを、どの条件で集計したか説明してください」と依頼して確認します
- 機密データは渡す前に除く:個人情報や顧客名は、削除するか置き換えてからAIに渡します。データ基盤と連携する場合は、権限とデータの範囲を設計しておきます
- 最初にデータの中身を確認させる:列の構成や欠損の確認を省くと、後の集計の誤りにつながります
- AIの考察は仮説として扱う:AIの示す要因は結論ではなく、次の施策を検討するための出発点です
よくある質問
ChatGPTでもAIデータ分析はできますか
できます。CSVの添付による分析は、ChatGPTでも同じ流れで行えます。
データ基盤との連携も、BigQueryのMCPサーバーをChatGPTに接続すれば実施できます。手順は「ChatGPTでGoogle広告を分析する方法(別タブで開く)」で解説しています。
無料で始められますか
2026年10月時点のClaudeでは、無料プランでもCSVなどのファイルを添付し、コードを実行して集計やグラフの作成ができます。データ基盤との連携では、BigQueryやFivetranの無料枠の範囲で試すこともできますが、利用量に応じて費用が発生します。
Excelのデータでも分析できますか
できます。Claudeでは、Excelのファイル(XLSX)を添付して分析できます。
集計にはコードの実行を使うため、設定の「コード実行とファイル作成」がオンになっていることを確認してください。
プログラミングやSQLの知識は必要ですか
不要です。CSVの分析もデータ基盤との連携も、日本語で指示するだけで、AIがコードやSQLを作成して実行します。
データ基盤の構築には、データの転送や権限の設定に関する知識が必要です。
まとめ
- 方法1(CSV添付):準備なしで試せる一方、毎回の書き出しが必要で、データ量や横断の分析に制約があります
- 方法2(コネクタ接続):普段使うツールのデータを書き出さずに参照できますが、ツールをまたぐ分析には向きません
- 方法3(データ基盤との連携):構築が必要ですが、広告・GA4・CRMを横断し、最新のデータで継続的に分析できます
まずは手元のCSVを1つAIに渡して分析の進め方をつかみ、継続して使う段階でデータ基盤との連携に広げていくのが現実的な進め方です。
株式会社INVOXは、データ基盤の構築、データ分析の支援、AIエージェントの開発を行っています。GA4、広告、Salesforce、HubSpot、Shopifyなどのデータを統合し、ClaudeやChatGPTで分析できる環境の構築から、分析の精度を高める前提の整備までを支援しています。
支援の内容は「マーケティング分析(別タブで開く)」で、支援実績は「エンジニアに頼まずに、誰もが自分でデータを引き出せる状態に(別タブで開く)」で紹介しています。
「自社で環境を構築するのが難しい」「構築した後に使いこなせるか不安がある」といった課題をお持ちでしたら、お問い合わせください。




