「広告はクリックされているのに、コンバージョン(CV)が出ない」。広告運用では、この状況にたびたび直面します。
原因が広告側(集めているユーザーの質)にあるのか、LP側(流入後の体験)にあるのかを見極めるには、Google広告とGA4の両方のデータを確認しなければなりません。
ただ、2つの管理画面を行き来して数字を突き合わせるのでは、キャンペーンや検索語句の単位で、広告をクリックした後の行動までを追うことはできません。
両方のデータをBigQueryに集めて結合すれば、「どのキャンペーンから来たユーザーが、LPのどこで離脱しているか」を1つのクエリで確認できます。
本記事では、Google広告とGA4のデータをBigQueryで統合し、Claudeに接続して、自然な文章で指示するだけで課題の把握から原因の特定、LPの改善までを進める手順を解説します。
まず、デモ用のデータで行った分析を例に、各ステップのプロンプト例と結果を紹介し、そのあとでデータの準備と結合の仕方、2つのデータでCV数が合わない理由を解説します。
Google広告とGA4をBigQueryで統合して分析する全体像
BigQueryに集めた2つのデータを使い、次の5つのステップで進めます。データの集計、原因の分析、LPの修正はClaudeが実行し、人が行うのは方向性の指示と、改善案の確認・承認です。

分析から改善までの5つのステップ
- Google広告の主要指標から、課題の所在を絞り込む
- 検索語句を分析し、流入しているユーザーの質を確認する
- GA4で、広告経由のユーザーがLP上でどう行動しているかを確認する
- LPのボトルネックを特定し、改善案を出す
- 改善案をLPに反映する
ステップ1:Google広告の主要指標から課題の所在を絞り込む
以下のステップは、Google広告とGA4のデータをBigQueryに集め、Claudeに接続した状態で進めます。環境の作り方は後半の「環境の構築手順」で解説します。
ステップ1〜4の画面は、デモ用のデータで行った分析です。BtoBの「AIデータ分析環境を構築するサービス」の広告とLPを想定したデータを使っています。
まず、Google広告の成果の全体像を確認します。
プロンプト例
過去30日間のGoogle広告の主要指標を、業界ベンチマークと比較して教えてください。
Claudeは利用できるテーブルとその構造を確認したうえで、SQLを実行してデータを集計し、レポートにまとめます。

Claudeの画面(デモ用のデータ。レポートの全文(別タブで開く))

業界ベンチマークとの比較(デモ用のデータ)
CTRやCPCは良好な一方で、CVRが低いことが分かります。
なお、業界平均の値はClaudeが一般的な水準として示したもので、出典が明示されているわけではありません。目安として扱います。
CVRが低い原因としては、次の2つが考えられます。
- 狙いたいターゲットが流入していない(広告側の問題)
- 狙いたいターゲットは流入しているが、LPでCVに至っていない(LP側の問題)
ステップ2:検索語句を分析し、流入しているユーザーの質を確認する
まず、広告側の問題がないかを確認します。どのような検索語句で流入しているかを、Claudeに分類させます。
プロンプト例
過去30日間の検索語句を分析し、クリック数が多いのにCVしていないキーワードを、ターゲット層別にグループ化してください。各グループの特徴も教えてください。

グループ1:AI・DX推進層(情報収集段階。デモ用のデータ)
Claudeは、このグループについて次のように分析しました。
- 特徴:「AI」という語での情報収集が中心で、検索意図が広い。CTRは高いが、購買意欲は低い
- 課題:具体的な価値提案と検索意図が合っておらず、データ分析のサービスを求めていない可能性がある
- 推奨施策:除外キーワードへの追加を検討する。または、広告文で「データ分析に特化」と明確にする
想定しているサービスは「AIデータ分析環境を構築するサービス」のため、確かに広すぎる語句を拾っていることが分かります。一方で、検索意図と合っていそうなグループもありました。

グループ2:データ分析ソリューション検討層(デモ用のデータ)
このグループは、新たに広告グループを作成し、広告見出しと説明文を最適化する対象とします。続けて、広告文の案も作成させます。
プロンプト例
「データ分析ソリューション検討層」について、分析結果をもとに、このグループに響く広告見出しと説明文を提案してください。
Claudeは、価格を明示する型や課題に寄り添う型など、複数の方向性で見出しと説明文の案を、それぞれの狙いとともに提案します(提案内容の全文(別タブで開く))。
提案には「期待効果」として数値が示されることもありますが、これはAIの見込みにすぎません。採用する案は、自社の商材や実績と照らし合わせて人が判断します。
ステップ3:GA4で広告経由のユーザー行動を確認する
次に、LP側の問題を確認します。
Google広告の管理画面では、クリックした後のユーザーの行動は分かりません。GA4のデータと突き合わせることで、初めて見えてくる課題があります。
プロンプト例
GA4のデータを使用して、Google広告経由でランディングしたユーザーがどのような行動をとっているかを分析し、主要な指標をグラフにしてください。

GA4のデータから作成したユーザー行動のファネル(デモ用のデータ)
ランディングからスクロールまでの段階で52%が離脱しており、最大の課題であることが分かりました。ページを開いてすぐに離脱しているということは、ファーストビュー(最初に表示される範囲)に問題がある可能性が高いと考えられます。
ステップ4:LPのボトルネックを特定し、改善案を出す
データで課題の位置が分かったら、LPそのものをClaudeに確認させ、改善案を出させます。
プロンプト例
(LPのURL)のLPを確認し、ここまでの分析結果を踏まえて、どのような修正が必要か提案してください。

ClaudeによるLPの改善提案(デモ用のデータ。提案の全文(別タブで開く))
Claudeは、「ファーストビューで何のサービスかが伝わっていない」「広告とLPの期待値にずれがある」「次の行動が分かりにくい」といった根本原因を挙げ、ファーストビューを最優先で改善するよう提案しました。データに基づく率直な指摘で、改善の優先順位を付けやすくなります。
ステップ5:Claude CodeでLPの改善まで実行する
ここからは、別のLPを想定し、Claude Codeを使って分析から改修までを行った例です(数値はデモ用のデータです)。
このLPでは、広告のCTRは53.9%とクリックは十分に獲得できていたものの、CVがほとんど出ていませんでした。GA4のデータを確認すると、広告経由のユーザーのスクロール率は22%で、約8割がページの冒頭だけを見て離脱していました。
デバイスの比率はモバイルが88%でした。フォームや計測の設定に問題がないことも、Claude Codeが確認しています。
Claude Codeが特定したLPの3つのボトルネック
- 冒頭のコピーが検索意図とずれている:主な流入キーワードは「広告 運用 改善」の系統で、ユーザーは「広告運用を改善したい」と考えて検索しています。一方、LPの冒頭は「AIが24時間自動で実行」といった訴求で、ユーザーの課題を理解していることが伝わっていませんでした
- モバイルで問い合わせボタンが画面の外にある:モバイルではメイン画像が問い合わせボタン(CTA)を押し出しており、スクロールしないとボタンが見えない状態でした。約8割がスクロールせずに離脱しているため、大半のユーザーはボタンを見ていないことになります
- フォームの入力項目が多い:入力項目が7つあり、モバイルで「少し話を聞いてみたい」程度のユーザーには負担の大きい状態でした
Claude Codeが実施したLP改善の6つの施策
| 施策 | 内容 |
|---|---|
| 冒頭のコピーを変更 | 「AIが自動で実行」という訴求から、「広告運用を改善したい」という検索意図に応える問いかけ形式のコピーに変更 |
| 固定の問い合わせボタンを追加 | モバイルで、スクロール位置に関係なく画面下部に問い合わせボタンを常に表示 |
| メイン画像を非表示に | モバイルではメイン画像を表示せず、テキストとボタンだけで冒頭を構成 |
| 課題のセクションの直後にボタンを追加 | 「こんな課題はありませんか」を読んで自社のことだと感じた時点で、問い合わせできるようにする |
| フォームの項目を折りたたむ | 初期表示を4項目にし、残りの3項目は「任意項目を入力する」で展開する形に変更 |
| ヘッダーのボタンの文言を変更 | 検索意図に合わせて文言を調整 |
6つの施策はいずれも、Claude Codeが分析結果をもとにLPのファイルを修正しています。人が行ったのは、改善の方向性の指示と、修正内容の確認・承認です。
なお、検索語句を分析すると、成果につながっていない無駄な語句が見つかることもよくあります。ステップ2のように、除外キーワードの候補もあわせて抽出させると、広告側の改善も同時に進められます。
分析にかかる時間の変化
従来のやり方では、広告の運用担当者がGoogle広告の数字を、Web解析の担当者がGA4のデータを確認し、デザイナーやエンジニアにLPの修正を依頼する、という流れになります。複数の担当者が関わるため、改善の実施までに1〜2週間かかることも珍しくありません。
ステップ1〜4の分析と改善を行った際の作業時間の目安は、次のとおりです。
| 作業 | 従来の方法 | Claudeを使った方法 |
|---|---|---|
| 分析 | 9時間30分 データの加工・統合(4時間)、分析の設計(30分)、SQLの作成・BIでの可視化・示唆出し(5時間) |
30分 Claudeとの対話による分析・示唆出し |
| 改善の実施 | 30分 | 30分 |
| 合計 | 約10時間 | 約1時間 |
分析の環境さえ整えれば、SQLを書けないメンバーでも、Claudeに日本語で質問するだけで同じ分析ができます。次の章で、その環境の作り方を解説します。
環境の構築手順:Google広告とGA4のデータをBigQueryに統合し、Claudeに接続する
Claudeに分析させるには、Google広告とGA4のデータをClaudeが参照できる状態にしておく必要があります。当社では、両方のデータをGoogleのデータウェアハウスである「BigQuery」に集約し、MCP(Model Context Protocol)でClaudeに接続しています。
当社が支援した株式会社Techouse様の事例でも、データ基盤は個人情報を含まないGAと広告データから始めました。それまで管理画面でしか見ていなかったGAのデータを広告データと合わせて分析できるようになり、使い始めて1〜2か月で、主要なKPIを社内で決めた指標に沿って追い続けられる状態になっています(「毎朝1時間の広告データ取り込みを15〜20分に(別タブで開く)」)。
環境の構築は次の4つの手順で進めます。以下は2026年10月時点の情報です。
- Google Cloud のプロジェクトを準備する
- GA4のデータをBigQueryに書き出す
- Google広告のデータをBigQueryに転送する
- ClaudeとBigQueryをつなぎ、分析の前提を書く
必要な権限は、Google Cloud のプロジェクトのオーナー権限、GA4のプロパティの編集者以上の権限、Google広告のアカウントへのアクセス権です。社内で権限が分かれている場合は、それぞれの管理者に事前に協力を依頼しておくと円滑です。
CSVを添付する方法やGoogle広告のMCPサーバーを使う方法との違いは、「Google広告をAIで分析する3つの方法(別タブで開く)」で比較しています。
手順1:Google Cloud のプロジェクトを準備する
- Google Cloud コンソール(別タブで開く)で、新しいプロジェクトを作成します(既存のプロジェクトを使う場合は選択します)
- プロジェクトに請求先アカウントをリンクし、課金を有効にします(プロジェクトの課金を有効にする(別タブで開く))
- 「APIとサービス」→「有効なAPIとサービス」で、「BigQuery API」が有効になっているか確認します。有効でなければ「+ APIとサービスの有効化」から有効にします
- プロジェクトの設定ページで「プロジェクト ID」を確認し、控えておきます
課金の設定が必要なのは、FivetranがBigQueryのサンドボックス(課金を有効にしない無料の環境)に対応していないためです(Fivetranのセットアップガイド(別タブで開く))。
BigQueryには毎月10GiBのストレージと1TiBのクエリ処理までの無料枠があり、超えた分に料金がかかります(BigQueryの料金(別タブで開く))。
手順2:GA4のデータをBigQueryに書き出す
あわせて、GA4とGoogle広告をリンクし、Google広告の自動タグ設定を有効にしておきます。後で使う session_traffic_source_last_click.google_ads_campaign(広告経由のセッションのキャンペーンIDや名前)は、この2つの設定を前提に記録されます。
GA4の「管理」→「サービス間のリンク設定」→「Google 広告のリンク」から設定し、自動タグ設定はGoogle広告の「管理者」→「アカウント設定」で確認できます(Google 広告を Google アナリティクスに接続する(別タブで開く)、自動タグ設定について(別タブで開く))。
そのうえで、GA4の管理画面で、BigQueryへのリンクを設定します(BigQuery Export を設定する(別タブで開く))。
- GA4の「管理」→「サービス間のリンク設定」→「BigQuery のリンク」を開きます
- 「リンク」をクリックし、「BigQuery プロジェクトを選択」から手順1のプロジェクトを選んで「確認」をクリックします
- データのロケーションを選び、「次へ」をクリックします
- 書き出しの頻度で「毎日」を選び、「次へ」をクリックします
- 設定を確認し、「送信」をクリックします
データのロケーションは後から変更するのが難しいため、手順3のGoogle広告のデータと同じロケーションにそろえます。ロケーションが異なると、2つのデータを1つのクエリでそのまま結合できない場合があります。
設定後は、次のようにデータが届きます(BigQuery Export スキーマ(別タブで開く))。
- データセット:
analytics_{プロパティID}という名前で作成されます - テーブル:
events_YYYYMMDDという名前で、1日1つ作成されます。1行が1つのイベントです - 届くまでの時間:リンクの完了から24時間以内に書き出しが始まります。書き出されるのは設定した日以降のデータで、過去のデータはさかのぼって書き出されません
標準(無料)のGA4プロパティでは、1日に書き出せるイベントは100万件までです(BigQuery Export(別タブで開く))。上限を超えそうな場合は、リンクの設定で不要なイベントを書き出しから除外します。
画面の詳細は「ClaudeでサーチコンソールとGA4を分析する方法(別タブで開く)」の手順2で解説しています。
手順3:Google広告のデータをBigQueryに転送する
Google広告のデータは、Fivetranなどのデータ統合ツールで、BigQueryに自動で転送します。Fivetranには、月50万行(MAR)まで使える無料プランがあります(Fivetran Pricing(別タブで開く))。
Fivetranでの設定の流れは次のとおりです。
- Fivetranのサイト(別タブで開く)の「Start free」からアカウントを登録します
- 「Destinations」の「Add destination」で「BigQuery」を選び、手順1のプロジェクトIDとデータの保存場所(Data Location)を入力して「Save & Test」を実行します。保存場所は、手順2のGA4と同じにします
- 「Connections」の「Add connection」で「Google Ads」を選び、転送先に2.のBigQueryを指定します。Google広告の「Customer ID」を入力し、「Authorize with Google」から広告アカウントへのアクセス権を持つGoogleアカウントで認証します
- 「Save & Test」の後に表示される画面で、Quickstartのデータモデル(Ad Reporting)を追加します。日付・キャンペーン・広告グループ・広告などの単位で主要な指標を整理したテーブルが作られ、Claudeが集計しやすくなります(Fivetranのデータモデル(別タブで開く))
データの更新頻度の初期値は6時間ごとで、「Settings」タブの「Sync frequency」で変更できます。
Google広告のコネクタは、後から計上されるCVを反映するため、1日1回、過去30日分(初期値)のデータを取り直します(Google広告のコネクタ(別タブで開く))。
無料プランでは、Quickstartのデータモデルの実行も月5,000回までです(Fivetranの無料プラン(別タブで開く))。データモデルは初期設定では同期のたびに実行されるため(Transformation Scheduling(別タブで開く))、6時間ごとの同期では上限に近づくことがあります。
無料プランで使う場合は、同期の頻度を24時間ごとにしておくと安心です。
詳しくは「Fivetranとは?広告データ統合でできること・料金・始め方(別タブで開く)」で解説しています。
各画面の操作は「ChatGPTでGoogle広告を分析する方法(別タブで開く)」の手順2で、画像付きで紹介しています。
Google広告のデータだけを接続して分析する基本の手順は、「ClaudeでGoogle広告を分析する方法(別タブで開く)」で解説しています。
BigQuery Data Transfer Service を使う場合
Google Cloud の BigQuery Data Transfer Service でも、Google広告のデータを転送できます(Google 広告の転送(別タブで開く))。
- 転送の作成には、プロジェクトに対する「BigQuery 管理者」(roles/bigquery.admin)のロールと、Google広告のお客様ID(またはMCCアカウント)への読み取りアクセス権が必要です
- 転送は1日単位で行われます。後から計上されるCVを反映するため、実行のたびに直近の期間を取り直します(初期値は7日、最大30日)
- バックフィルを実行すると、設定前の過去の期間のデータも取得できます
- データは
ads_Campaign_{お客様ID}のように、レポートごとのテーブルに読み込まれます。ads_Campaign_{お客様ID}にはキャンペーン名や状態などの属性が入り、表示回数や費用などの指標はads_CampaignBasicStats_{お客様ID}などの別のテーブルにあるため、キャンペーンIDで結合して集計します
Google広告のデータだけを扱うならこちらでも十分です。Meta広告など、ほかの広告媒体やCRMのデータもまとめて扱う予定があれば、Fivetranを選ぶと共通の形式のテーブルにそろえられます。
手順4:ClaudeとBigQueryをつなぎ、分析の前提を書く
Claudeのコネクタの一覧にある「Google Cloud BigQuery」を使って、BigQueryに接続します。接続先は、Google Cloud が提供する「BigQuery リモート MCP サーバー」で、ClaudeからBigQueryのテーブル構造の確認やSQLの実行ができます(BigQuery リモート MCP サーバーを使用する(別タブで開く))。
なお、1回のクエリの処理は3分まで、結果は3,000行までに制限されています。長期間のデータを日別・検索語句別に出す場合は、期間を区切るか集計してから取得するよう指示します。
- 手順1のプロジェクトで、Google Auth Platform の「クライアント」(別タブで開く)のページを開き、「クライアントを作成」をクリックします
- アプリケーションの種類で「ウェブ アプリケーション」を選び、「承認済みのリダイレクト URI」に
https://claude.ai/api/mcp/auth_callbackを追加して作成します。表示されたクライアント IDとクライアント シークレットを控えます(シークレットを確認できるのは作成時のみです) - Claudeの「カスタマイズ」→「コネクタ」で「+」ボタンからコネクタの一覧を開き、「Google Cloud BigQuery」を選びます
- 控えたクライアント IDとクライアント シークレットを入力し、BigQueryへのアクセス権を持つGoogleアカウントで認証します
各手順の詳細は「ClaudeでサーチコンソールとGA4を分析する方法(別タブで開く)」の手順4で、Claudeの画面は「ClaudeでYahoo!広告を分析する方法(別タブで開く)」の手順3で紹介しています。
GA4のデータだけを分析する方法(公式のGA4 MCPサーバーで直接つなぐ方法を含む)は、「ClaudeでGA4を分析する方法(別タブで開く)」で解説しています。
接続を確かめる
コネクタを追加したら、チャット画面で次のように質問します。
プロンプト例
BigQueryのプロジェクト「(プロジェクトID)」にあるデータセットとテーブルの一覧を教えてください。GA4のデータセット(analytics_ で始まるもの)とGoogle広告のデータセットについて、それぞれ最も古い日付と最も新しい日付も確認してください。
両方のデータセットが表示され、日付の範囲が返ってくれば、接続は完了です。
データを参照できない場合は、認証したGoogleアカウントのIAMの権限を確認します。2026年10月時点のGoogle Cloudのドキュメントでは、「MCP Tool User」(roles/mcp.toolUser)、「BigQuery Job User」(roles/bigquery.jobUser)、「BigQuery Data Viewer」(roles/bigquery.dataViewer)のロールが必要とされています。
Claudeのプロジェクトに分析の前提を書く
接続できても、Claudeはどのテーブルが何を表し、2つのデータを何でつなげばよいかを知りません。
Claudeの「プロジェクト(別タブで開く)」を作成し、プロジェクトの指示に分析の前提を書いておくと、毎回説明しなくても同じ前提で分析できます。
指示の例は次のとおりです(Fivetranの Ad Reporting を使う場合)。{★} の部分を自社の値に置き換えて使います。
# 広告・LP分析の前提({★サービス名})
## データの場所
- BigQueryのプロジェクトID:{★プロジェクトID}
- GA4:データセット analytics_{★プロパティID}、テーブル events_YYYYMMDD(1行が1イベント)
- Google広告:データセット {★Fivetranの出力先のデータセット名}
- ad_reporting__campaign_report:日付(date_day)×キャンペーンごとの spend・clicks・impressions・conversions
- ad_reporting__search_report:日付×検索語句(search_query)ごとの指標
- Google広告の行は platform で絞り込む
## 2つのデータのつなぎ方
- GA4の session_traffic_source_last_click.google_ads_campaign.campaign_id と、
Google広告の campaign_id で結合する
- 上の列に値が入っていない場合は、collected_traffic_source.manual_campaign_name(utm_campaign)と
Google広告の campaign_name で結合する
- 広告経由のクリックかどうかは、collected_traffic_source.gclid に値があるかでも確認できる
- 最初に、結合できなかったキャンペーンの例を出し、つなぎ方が正しいか確認する
## 分析のルール
- 期間の指定がなければ、直近30日を対象にする
- CVはGoogle広告の conversions と、GA4のイベント {★generate_lead などのイベント名} を区別して書く
- 結果には、使ったテーブル・期間・条件を必ず添える
- データで確認できたことと、推測を分けて書く
GA4の日付(event_date)は、プロパティのタイムゾーンの日付です。タイムゾーンの設定によっては日別の数字がずれることがあるため、週単位や月単位で比べるのが無難です。
前述のステップ5のように、LPの修正まで任せる場合は、ファイルの編集やコマンドの実行ができる「Claude Code」を使います。Claude Code もMCPで外部のデータに接続できるため、分析から修正までを1つの環境で進められます(Claude Code overview(別タブで開く))。
Google広告とGA4でCV数が合わない理由
2つのデータを結合すると、同じ期間・同じキャンペーンでも、Google広告のCV数とGA4のキーイベント数は一致しないのが普通です。GA4のキーイベントをGoogle広告にインポートしてCVにしている場合でも、設定が正しいまま差が出ます。
主な理由は次のとおりです(2026年10月時点。Google 広告で Google アナリティクスのイベントからコンバージョンを作成する(別タブで開く)、アトリビューション設定を選択する(別タブで開く))。
| 違い | Google広告 | GA4 |
|---|---|---|
| CVを計上する日 | CVにつながった広告のクリック日 | CVが実際に発生した日 |
| 貢献度を割り当てるチャネル(初期値) | Googleの有料チャネル | 有料チャネルとオーガニック チャネル |
| 数え方 | 「全件」か「初回のみ」(1回のクリックにつき1件)を選ぶ | キーイベントのカウント方法の設定に従う |
| 計測の期間 | クリックから1〜90日の計測期間内のみ | Cookieは2年間有効で、Google広告の計測期間を過ぎたCVも記録されることがある |
| 日付の区切り | Google広告アカウントのタイムゾーン | GA4プロパティのタイムゾーン |
たとえば、7月19日に広告をクリックし、翌20日に問い合わせた場合、Google広告では19日、GA4では20日のCVになります。
広告のクリック後に別々のセッションでフォームを2回送信した場合、GA4ではキーイベントが2件と表示され、カウント方法が「初回のみ」のGoogle広告では1件になります。このほか、Google広告では無効と判定されたクリックによるCVが除かれます。
結合して分析するときは、目的に応じて使う数字を分けます。
- キャンペーンや検索語句の費用対効果を比べる:Google広告のCV(conversions)を使います。管理画面と同じ数字で評価できます
- LP上の行動やCVまでの離脱を調べる:GA4のイベントを使います。費用と並べる場合は、計上する日の違いで日別の数字がずれるため、週単位や月単位で比べます
どちらの数字を使ったかは、結果に必ず書かせます。手順4で書いた前提の指示に「CVはGoogle広告の conversions と、GA4のイベントを区別して書く」と入れているのはこのためです。
Claudeで分析するときの注意点
- AIが示す一般的な数値は目安として扱う:業界ベンチマークや改善後の期待効果は、出典が示されないことがあります。判断の根拠にする場合は、自社の過去の実績や公開されている調査と照らし合わせます
- 推測と事実を区別する:LPの改善提案には、データに基づく指摘と、一般論に基づく推測が混ざることがあります。Claudeに「データで確認できたことと推測を分けて書いてください」と指示しておくと、判断しやすくなります
- 変更の前に人が確認する:Claude CodeでLPを修正する場合も、公開前に修正内容を確認・承認する工程を残します
- 改善後の効果を測る:修正した日付を記録しておけば、修正前後のCVRの比較も、同じようにClaudeに依頼できます
まとめ
- Google広告だけを見ていても、CVが出ない原因がLP側にあることは分からない。GA4のデータと突き合わせることで、課題の位置を特定できる
- 両方のデータをBigQueryに集約してMCPでClaudeに接続すれば、課題の把握・検索語句の分析・ユーザー行動の分析・LPの改善案の作成までを、自然な文章の指示で進められる
- Claude Codeを使えば、改善案をLPに反映するところまで任せられる。人が行うのは、方向性の指示と最終的な判断
同じ分析を繰り返す場合は、Claudeの「プロジェクト」と「スキル」に手順を登録しておくと、一言で実行できるようになります。作り方は「ClaudeのスキルでGoogle広告の専属AIアナリストを作る方法(別タブで開く)」で解説しています。
サーチコンソールのデータを加えてSEOを分析する手順は「ClaudeでサーチコンソールとGA4を分析する方法(別タブで開く)」をご覧ください。
株式会社INVOXは、広告やGA4、CRMのデータを1つの基盤に統合し、Claudeなどの生成AIで分析から改善までを進められる環境の構築を支援しています。
支援の内容は「マーケティング分析(別タブで開く)」で、支援実績は「毎朝1時間の広告データ取り込みを15〜20分に。10〜15媒体のデータを統合し、分析を効率化する環境を構築(別タブで開く)」で紹介しています。
「自社のデータでも同じ分析ができるか知りたい」といったご相談も承っていますので、お問い合わせください。




