広告の成果はGoogle広告やMeta広告、アクセスはGA4、売上はShopifyやStripeと、マーケティングのデータは複数のツールに分かれています。
これらを1か所に集めるには、管理画面から数値を書き出してスプレッドシートに転記するか、エンジニアに連携の仕組みを組んでもらう必要がありました。
Coupler.io(カプラー・アイオー)は、この集計と転記をノーコードで自動化するツールです。最近はClaudeやChatGPTへデータを直接送る機能も加わり、集めたデータをそのままAIで分析できるようになっています。
本記事では、Coupler.ioでできること・できないこと、料金プラン、Claudeと接続する手順、Fivetranなど他の選択肢との使い分けを解説します。機能と料金は2026年10月時点の公式サイトと公式ドキュメントに基づいています。
Coupler.ioとは
Coupler.ioは、各種ツールのデータを決まった送り先へ、決まった頻度で自動的に送るデータ連携ツールです。データの取り込み元を「データソース」、送り先を「デスティネーション」と呼び、その間の設定一式を「データフロー」として管理します。
- データソース:Google広告、Meta広告(Facebook Ads・Instagram Ads)、TikTok広告、Microsoft広告、LinkedIn広告、GA4、HubSpot、Salesforce、Shopify、Stripeなど。公式サイトでは400以上と案内されています
- デスティネーション:Googleスプレッドシート、Excel、Looker Studio(2026年10月時点の名称は Data Studio。日本語では「データポータル」)、Power BI、BigQuery、Snowflake、PostgreSQLなど
- AIへの連携:Claude、ChatGPT、Gemini CLI、Cursor、Perplexityなど
設定は画面上の操作で完結し、プログラムを書く必要はありません。
Coupler.ioでできること
複数のデータソースを結合・加工する
データを送る前に、画面上で次のような加工ができます(Preview Data(別タブで開く))。
- 列の非表示・名前の変更・並べ替え
- 行の絞り込みと並べ替え
- 計算式の列の追加
- 複数のデータソースの縦方向の結合(Append)と横方向の結合(Join)、集計
SQLで加工する機能もあり、ピボットやウィンドウ関数を使った加工も行えます(SQL based transformations(別タブで開く))。
テンプレートで集計の形を用意する
よくある集計は、データセットのテンプレートとして用意されています。Google広告の複数アカウントの比較、GA4のランディングページ別の成果、Shopifyの商品別の売上などがあり、テンプレートを選んでデータソースを接続すれば、集計済みの表がすぐに作れます。

複数の広告媒体のクリエイティブを比較するテンプレート(2026年1月時点の画面)
Looker Studio、Power BI、Googleスプレッドシート向けのダッシュボードのテンプレートや、Coupler.io上で表示するダッシュボードもあります(Dashboard Templates(別タブで開く))。
決まった頻度で自動更新する
データフローは、スケジュールを設定して自動で実行できます。設定できる頻度はプランによって異なり、無料プランは手動実行のみ、最も短い間隔は15分ごとです(Coupler.io Features & Limits(別タブで開く))。
ClaudeやChatGPTからデータを分析する
2026年10月時点で、Coupler.ioはClaude、ChatGPT、Cursor、Gemini CLI、Perplexityなどへの連携に対応しています。
接続にはMCP(AIが外部のデータに直接アクセスするための接続の仕組み)が使われ、APIキーを管理する必要はありません(AI Integrations(別タブで開く))。
接続したAIからは、次の操作ができます。
- データセットの一覧の確認と検索
- 列の構成の確認と、データへの問い合わせ
- SQLによるデータセットの結合・集計
- データフローの作成、スケジュールの設定、手動での更新
AIが参照できるのは、そのAIをデスティネーションに指定したデータフローのデータだけです。Claudeを送り先にしたデータは、ChatGPTからは見えません。
複数のAIで同じデータを使う場合は、それぞれを送り先に追加します。

Coupler.ioに接続したClaudeで、Google広告の主要指標を分析した例(2026年1月時点の画面。デモ用のデータ)
このほか、Coupler.ioの画面内で会話形式の分析ができる「AI Agent」と、ダッシュボードの要約を自動で作る「AI Insights」があります。いずれも有料プランの機能で、プランごとに月あたりの利用量の上限があります。
Coupler.ioでできないこと・注意点
日本の広告媒体に対応していない
2026年10月時点の公式ドキュメントの広告(PPC)カテゴリには、Google広告、Facebook広告、Instagram広告、TikTok広告、Microsoft広告、LinkedIn広告、X広告、Amazon広告などが並んでいますが、Yahoo!広告とLINE広告は見当たりません。
これらの媒体を使っている場合、Coupler.ioだけでは全媒体のデータをそろえられません。
画面とダッシュボードが英語
管理画面、テンプレート、自動で作られるダッシュボードは英語です。社内で使う分には支障がなくても、ダッシュボードをそのままクライアント向けの報告に使うのは難しい場合があります。
無料プランは1回あたり100行まで
無料プランで取り込めるのは、1回の実行につき100行までです。この上限は加工の前の行数で数えられ、上限を超えた分は切り捨てられます。
日別×キャンペーン別のデータでは、すぐに上限に達します。実際の業務で使うなら、有料プランが前提です。
媒体ごとの定義の違いは自分でそろえる
複数の媒体を結合する機能はありますが、CVの計測方法やアトリビューションの期間といった媒体ごとの定義の違いは、Coupler.ioが解消してくれるわけではありません。
媒体横断で比較するときにそろえておく定義は、「広告の媒体横断分析をAIで行う方法(別タブで開く)」で解説しています。
Coupler.ioの料金プラン(2026年10月時点)
2026年10月時点の料金ページ(別タブで開く)の内容は次のとおりです。料金は米ドルで、年払いにすると月払いより約2〜3割安くなります(StarterとActiveは25%、Proは約23%)。
| プラン | 月額(月払い/年払い) | 接続できるアカウント | 送り先の数 | 自動更新 | 1回あたりの行数 | ユーザー |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Free | 0ドル | 1 | 1 | 手動のみ | 100行 | 1人 |
| Starter | 32ドル/24ドル | 3 | 1 | 毎日 | 5,000行 | 1人 |
| Active | 132ドル/99ドル | 15 | 3 | 毎日 | 無制限 | 無制限 |
| Pro | 259ドル/199ドル | 50 | 無制限 | 毎時 | 無制限 | 無制限 |
| Agency & Enterprise | 個別見積もり | 個別 | 個別 | 15分ごと | 無制限 | 無制限 |
出典:Coupler.io Pricing(別タブで開く)、Coupler.io Features & Limits(別タブで開く)(2026年10月2日に確認)
「アカウント」は、接続する広告アカウントや分析のアカウントの数です。たとえばGoogle広告のアカウントを4つ、Meta広告を3つ、GA4を5つ、HubSpotを3つ接続すると、合計で15アカウントになります。
「送り先の数」は使えるデスティネーションの種類の数で、StarterプランではGoogleスプレッドシートとClaudeのように2つの送り先を併用できません。
アカウントを作成すると、Proプランの機能を7日間無料で試せます。クレジットカードの登録は不要で、期間が終わると自動的に無料プランに切り替わります(Free-forever plan vs. Free trial(別タブで開く))。
Coupler.ioをClaudeに接続する手順
ここでは、Google広告のデータをClaudeで分析できるようにする手順を紹介します。2026年10月時点の公式ドキュメント(別タブで開く)に沿った手順です。画像は2026年1月時点の画面のため、現在の表示と異なる場合があります。
1. データフローを作成し、データソースを接続する
Coupler.io(別タブで開く)にサインアップし、「Data flows」の画面で新しいデータフローを作成します。テンプレートから始める方法と、一から設定する方法を選べます。
テンプレートを選んだ場合は、表示されたデータソース(ここではGoogle広告)を接続して認証します。
2. 送り先にClaudeを選ぶ
プレビューで取り込まれるデータを確認したら、デスティネーションの一覧から「Claude」を選びます。一覧には、Looker StudioやBigQueryなどと並んで、AIへの連携先が表示されます。

デスティネーションの選択画面(2026年1月時点の画面)
3. ClaudeにCoupler.ioのコネクタを追加する
Claudeのコネクタのディレクトリから、Coupler.ioのコネクタを追加して接続し、Coupler.ioのアカウントで認証します。
Claudeのチャット(Web・デスクトップ・モバイル)、Cowork、Claude Codeで使えます。TeamプランとEnterpriseプランでは、コネクタの追加に管理者の権限が必要です。

Claudeとの接続の設定画面(2026年1月時点の画面)
なお、2026年10月時点の公式ドキュメントでは、Claudeの無料プランとProプランで、コネクタは接続済みと表示されるのにツールが読み込まれない不具合が案内されています。
回避策として、カスタムコネクタとして追加する方法が示されています(Claude connector tools don’t load(別タブで開く))。
4. データフローを実行し、Claudeで質問する
データフローを手動で一度実行し、正常に完了したら、Claudeで新しいチャットを開いて質問します。初回は、Coupler.ioのツールの利用を許可するよう求められます。
プロンプト例
Coupler.ioのGoogle広告のデータから、直近4週間のキャンペーン別の費用・CV・CPAを週ごとに並べ、CPAが悪化したキャンペーンを挙げてください。
データフローに自動更新のスケジュールを設定しておけば、Claudeは常に最新のデータを参照できます。
Fivetranなど他の選択肢との使い分け
広告やGA4のデータを集める方法は、Coupler.ioのほかにもあります。主な選択肢との違いは次のとおりです。
| Coupler.io | Fivetran | 各媒体のMCPサーバー | |
|---|---|---|---|
| 主な送り先 | スプレッドシート・BI・AIに直接送る | BigQueryなどのデータウェアハウス | AIから媒体のデータを直接参照 |
| 始めやすさ | ◎ 画面の操作だけで完結 |
○ データウェアハウスの用意が必要 |
○ 媒体ごとに接続の設定が必要 |
| 日本の広告媒体 | × Yahoo!広告・LINE広告は対象外 |
○ Liteコネクタで取り込める |
△ 提供状況が媒体ごとに異なる |
| データの蓄積と大量のデータ | △ プランごとに行数や更新頻度の上限がある |
◎ データウェアハウスに履歴を蓄積できる |
× 蓄積しない |
◎:優れている ○:十分 △:制約がある ×:対応できない、または負担が大きい
Coupler.ioが向いている場面
- 扱う媒体がGoogle広告・Meta広告など海外の主要な媒体に限られる
- データウェアハウスを用意せず、スプレッドシートやLooker Studio、AIで手早く分析を始めたい
- 1つのチームで、少数のアカウントのデータを扱う
Fivetranなどのデータ基盤が向いている場面
- Yahoo!広告やLINE広告を含めて、全媒体をそろえて比較したい
- 広告のデータを、CRMの受注データや売上のデータと結合して評価したい
- 数年分の履歴を蓄積し、長期で分析したい
広告に限らず、社内の別々のシステムにあるデータを掛け合わせたい場合も、データ基盤が向いています。当社が支援した株式会社DeNA SOMPO Mobility様では、ユーザーの行動データと車両のデータが別々のシステムにあり、掛け合わせた分析ができませんでした。両方をBigQueryに集め、Dataformでデータの粒度と命名をそろえたことで、ユーザーと車両を掛け合わせた分析ができるようになり、施策の根拠の質も高まっています(「集計の手作業をなくし、マーケターが最新の統合データを見られる状態に(別タブで開く)」)。
Fivetranで広告データをデータウェアハウスに統合する方法は「Fivetranとは?広告データ統合でできること・料金・始め方(別タブで開く)」で、AIでデータを分析する方法の全体像は「Claudeでデータ分析する方法(別タブで開く)」で紹介しています。
Google広告1媒体を対象にした接続方法の比較は、「Google広告をAIで分析する3つの方法(別タブで開く)」をご覧ください。
まずCoupler.ioで小さく始め、扱う媒体やデータの量が増えた段階でデータウェアハウスに移る、という進め方も現実的です。Coupler.ioはBigQueryも送り先に選べるため、BigQueryへの取り込みに使うこともできます。
まとめ
- できること:広告・GA4・CRM・ECなどのデータを、ノーコードで結合・加工し、スプレッドシートやBI、ClaudeやChatGPTへ自動で送れる
- できないこと:Yahoo!広告とLINE広告には対応しておらず、画面とダッシュボードは英語。無料プランは1回100行までで、実務では有料プランが前提
- 料金:2026年10月時点で、Starterが月32ドル(年払いで24ドル)から。7日間はProプランを無料で試せる
- 使い分け:海外の主要な媒体を手早く分析するならCoupler.io、日本の媒体を含めた統合や長期の蓄積が必要ならFivetranなどのデータ基盤
株式会社INVOXは、データ基盤の構築、データ分析の支援、AIエージェントの開発を行っています。Coupler.ioやFivetranなどのツールの選定から、広告・GA4・CRMのデータを統合し、ClaudeやChatGPTで分析できる環境の構築までを支援しています。
支援の内容は「マーケティング分析(別タブで開く)」で、支援実績は「集計の手作業をなくし、マーケターが最新の統合データを見られる状態に(別タブで開く)」で紹介しています。
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