BigQueryは、Google Cloudが提供するデータウェアハウス(DWH)です。広告、GA4、CRM、決済などのデータを1か所に集め、SQLで集計できます。サーバーの準備や管理は要らず、使った分だけ料金がかかります。
Google Cloudは、BigQueryを「ML、検索、地理空間分析、ビジネス インテリジェンスなどの組み込み機能を使用してデータの管理と分析を支援する、フルマネージドの AI 対応データ プラットフォーム」と説明しています(BigQuery の概要(別タブで開く))。
本記事では、BigQueryでできること、料金と無料枠、試し方、マーケティングのデータを集める方法、AIの機能を解説します。記載の料金と仕様は2026年10月時点の公式情報に基づきます。
BigQueryでできること

| できること | 例 |
|---|---|
| データを集める | GA4のイベント、Google広告の成果、Search Consoleの検索クエリ、決済やCRMのデータを、毎日自動で取り込む |
| SQLで集計する | 大量のデータを、サーバーの準備なしに集計する |
| ほかのデータと結びつける | 広告のクリックから、会員登録、有料転換、解約までを、1人の顧客としてつなげる |
| 可視化・共有する | データポータル(旧Looker Studio)やスプレッドシートにつなぎ、レポートを自動で更新する |
| AIで分析する | Gemini in BigQueryでSQLを作る。ClaudeなどのAIから、自然な文章で問い合わせる |
Looker Studioは、2026年4月に元の名称の「データポータル」に戻りました(データポータルのドキュメント(別タブで開く))。
GA4の画面や広告の管理画面だけでは、媒体をまたいだ比較や、広告から受注・解約までを結びつけた分析ができません。BigQueryにデータを集めると、こうした分析ができるようになります。
データウェアハウスそのものの説明と、データベース・データレイクとの違いは、「データウェアハウス(DWH)とは(別タブで開く)」で解説しています。
BigQueryの特徴
サーバーの管理が要らない
BigQueryはサーバーレスの仕組みです。サーバーの台数や容量を決める必要はなく、データを入れてSQLを書けば、必要な計算資源をGoogle Cloudが割り当てます。
保存と計算が分かれている
BigQueryは、データを保存する部分(ストレージ)と、計算する部分(コンピューティング)が分かれています(BigQuery の概要(別タブで開く))。そのため、料金もストレージとクエリ(計算)で別々にかかります。データをためておくだけなら、費用は小さく抑えられます。
SQLで操作する
データの集計には、標準的なSQL(GoogleSQL)を使います。SQLを書けなくても、Gemini in BigQueryやClaudeに文章で指示して、SQLを作らせられます。
BigQueryの料金
BigQueryの料金は、主に「クエリ(計算)」と「ストレージ(保存)」の2つです(BigQuery の料金(別タブで開く))。
毎月の無料枠
| 無料枠(毎月) | |
|---|---|
| クエリ | 最初の1TiBまで無料 |
| ストレージ | 最初の10GiBまで無料 |
中小規模のサイトのGA4のデータや、広告の日次の成果であれば、無料枠の中に収まることもあります。
クエリの料金(オンデマンド)
オンデマンドの料金では、クエリが読み取ったデータの量で課金されます。
| リージョン | 1TiBあたり |
|---|---|
| 東京(asia-northeast1) | $7.50 |
| USマルチリージョン | $6.25 |
計算の量を「スロット」で買う、Editions(Standard・Enterprise・Enterprise Plus)という料金の形もあります。東京のStandardは、1スロット時間あたり$0.051です。データの量が多く、クエリの料金が毎月かさむ場合に検討します。
ストレージの料金
| リージョン | アクティブ(論理) | 長期(論理) |
|---|---|---|
| 東京 | $0.023 / GiB・月 | $0.016 / GiB・月 |
| US | $0.02 / GiB・月 | $0.01 / GiB・月 |
90日間変更されていないテーブル(またはパーティション)は、自動的に長期ストレージの料金になります。
クエリの料金を抑える方法は、「BigQueryの料金が高い原因と下げ方(別タブで開く)」で解説しています。
BigQueryを無料で試す:サンドボックス
BigQueryには、クレジットカードを登録せずに試せる「サンドボックス」があります(BigQuery サンドボックスを使用する(別タブで開く))。
- クレジットカード情報の登録や、請求先アカウントの作成は要らない
- ストレージは通算10GiBまで(データを消しても枠は戻らない)。クエリは毎月1TiBまで
- テーブルは60日で自動的に削除される
- ストリーミングでのデータの追加、データの更新(DML)、Data Transfer Serviceなど、使えない機能がある
始め方
- Google Cloudのコンソールを開き、BigQueryのページに移る
- 新しいプロジェクトを作る(サンドボックスの場合は、請求先アカウントを設定しない)
- 公開データセット(
bigquery-public-data)を開き、クエリを実行してみる
たとえば、Googleが公開しているGA4のサンプルのデータ(ECサイトのデモ)で、日ごとのイベント数を数えるSQLは次のとおりです。
SELECT
event_date,
COUNT(*) AS events,
COUNT(DISTINCT user_pseudo_id) AS users
FROM `bigquery-public-data.ga4_obfuscated_sample_ecommerce.events_*`
WHERE _TABLE_SUFFIX BETWEEN '20210101' AND '20210107'
GROUP BY event_date
ORDER BY event_date
業務で使う場合は、請求先アカウントを設定したうえで、データセットとテーブルの有効期限を解除します。
マーケティングのデータをBigQueryに集める方法
| データ | 方法 | 費用 |
|---|---|---|
| GA4 | GA4の管理画面から「BigQueryのリンク」を設定 | 日次のエクスポートは、BigQueryの保存とクエリの料金。ストリーミングは、さらに1GBあたり$0.05 |
| Google広告・YouTube | BigQuery Data Transfer Service | 転送は無料。保存とクエリはBigQueryの料金 |
| Search Console | Search Consoleの「一括データ エクスポート」 | BigQueryの保存とクエリの料金 |
| Meta広告・Salesforce | BigQuery Data Transfer Service | 転送の処理に、スロットの従量課金 |
| HubSpot・Stripe・Shopifyなど | Data Transfer Service(プレビュー)、またはFivetranなどの連携ツール | プレビュー中のコネクタは無料。連携ツールは各社の料金 |
出典:GA4 の BigQuery Export(別タブで開く)、Data Transfer Service(別タブで開く)、一括データ エクスポート(別タブで開く)、BigQuery の料金(別タブで開く)
GA4の標準のプロパティでは、日次のエクスポートは1日100万イベントまでです。超え続けると、日次のエクスポートが止まります。これを超えるサイトでは、エクスポートするイベントを絞るか、ストリーミングのエクスポートを使います。
GA4・Google広告・Search Consoleのデータを集める手順は、「Google広告とGA4をBigQueryで統合分析する方法(別タブで開く)」で、連携ツールの選び方は「ETL・ELTとは(別タブで開く)」で解説しています。
BigQueryのAIの機能
| 機能 | できること | 提供状況(2026年10月時点) |
|---|---|---|
| Gemini in BigQuery | SQLの生成・説明、データキャンバス(画面上で分析の流れを組む) | SQLの生成・説明とデータキャンバスは一般提供。追加の料金なし |
| 会話型分析・データエージェント | 文章で質問すると、BigQueryのデータから答えを返す | 2026年6月に一般提供。実行されたクエリの料金がかかる |
| AI関数(AI.IF・AI.SCORE・AI.CLASSIFYなど) | SQLの中で、文章の分類や採点を生成AIに任せる | AI.IF・AI.SCORE・AI.CLASSIFYは2026年4月に一般提供。モデルの利用料が別にかかる |
出典:Gemini の料金(別タブで開く)、会話型分析(別タブで開く)、BigQuery のリリースノート(別タブで開く)
BigQueryの外のAIから使うこともできます。ClaudeとBigQueryをつなぐ方法は、「ClaudeとBigQueryを連携する方法(別タブで開く)」で解説しています。
Snowflake・Redshiftとの料金の違い
| 料金の単位 | 計算の課金 | |
|---|---|---|
| BigQuery | オンデマンドは読み取ったデータの量(TiB)。Editionsはスロット時間 | オンデマンドはクエリごと。Editionsは秒単位(最低1分) |
| Snowflake | クレジット(ウェアハウスの大きさで、1時間あたりの消費が決まる) | 秒単位(最低60秒) |
| Amazon Redshift Serverless | RPU時間 | 秒単位(最低60秒) |
| Databricks | DBU | 秒単位 |
出典:Snowflake(別タブで開く)、Amazon Redshift(別タブで開く)、Databricks(別タブで開く)
BigQueryのオンデマンドの料金は、クエリを実行したときだけ課金されます。ウェアハウスを起動しておく時間の費用がないため、クエリの回数が少ないうちは費用を抑えやすい形です。
GA4やGoogle広告のデータを使う場合は、無料で送る仕組みがあるBigQueryが始めやすい選択肢です。社内ですでにAWSやSnowflakeを使っている場合は、そちらに合わせることもあります。
BigQueryを使うときの注意点
クエリの前に、読み取る量を確かめる
オンデマンドの料金は、読み取ったデータの量で決まります。SELECT * で全部の列を読むと、使わない列の分も課金されます。BigQueryの画面では、クエリを実行する前に「このクエリを実行すると〇GBが処理されます」と表示されるため、量を確かめてから実行します。
リージョンを最初に決める
データセットを作るときに、保存する場所(リージョン)を選びます。あとから変えるにはデータのコピーが要ります。リージョンの違うテーブル同士は、原則として1つのクエリで結合できません(プレビューの「グローバルクエリ」を使えば結合できますが、データのコピーの費用がかかります)。GA4・広告など、つなげるデータは同じリージョンにそろえます。
権限を絞る
BigQueryには、顧客の個人情報が入ることもあります。データを見て集計するだけの人には「BigQuery データ閲覧者」と「BigQuery ジョブユーザー」など、必要な権限だけを付けます。
まとめ
- BigQuery:Google Cloudのデータウェアハウス。サーバーの管理が要らず、使った分だけ料金がかかる
- 料金:毎月、クエリ1TiB・ストレージ10GiBまで無料。オンデマンドのクエリは東京で1TiBあたり$7.50
- 試し方:サンドボックスなら、クレジットカードなしで試せる(テーブルは60日で削除)
- データの集め方:GA4はBigQueryのリンク、Google広告はData Transfer Service(無料)、Search Consoleは一括データ エクスポート
- AIの機能:Gemini in BigQuery、会話型分析、AI関数。外部のAI(Claudeなど)からも使える
- 注意点:読み取る量の確認、リージョンの統一、権限の管理
株式会社INVOXは、データ基盤の構築、データ分析の支援、AIエージェントの開発を行っています。広告・GA4・CRM・決済のデータをBigQueryに統合し、レポートの自動化や、AIで分析できる状態を作る支援をしています。
データ基盤の費用の目安は「データ基盤の費用の目安(別タブで開く)」で解説しています。
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