UTMパラメータは、URLの末尾に付けて、GA4などの分析ツールに「どこから来た訪問か」を伝える文字列です。SNSの投稿、メールマガジン、Google以外の広告など、流入元が自動で正しく分からないリンクに付けます。
付け方のルールがそろっていないと、同じ媒体が別々の流入元として集計され、施策ごとの成果を比べられなくなります。
本記事では、GA4で使えるUTMパラメータと、チャネルに正しく振り分けられる値、命名ルールの作り方を整理します。流入元が割れたときに、BigQueryで集計し直す方法も紹介します。記載の仕様は2026年10月時点の公式情報に基づきます。
UTMパラメータとは
UTMパラメータを付けたURLは、次のような形です。
https://example.com/blog/article?utm_source=facebook&utm_medium=social&utm_campaign=2026_10_blog
? から後ろがUTMパラメータです。この URL から来た訪問は、GA4で次のように記録されます。
| 項目 | 値 | GA4での見え方 |
|---|---|---|
| 参照元 | セッションの参照元 | |
| メディア | social | セッションのメディア |
| キャンペーン | 2026_10_blog | セッションのキャンペーン |
参照元とメディアの組み合わせから、「オーガニック ソーシャル」などのチャネルが決まります。チャネル別・キャンペーン別の訪問数や問い合わせの数は、「集客」→「トラフィック獲得」のレポートで確かめられます。
GA4で使えるパラメータ
2026年10月時点で、GA4は次のパラメータに対応しています(URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する(別タブで開く))。
| パラメータ | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| utm_source | 流入元(どのサイト・サービスから来たか) | facebook、newsletter |
| utm_medium | 媒体(どの種類の施策か) | social、email、cpc |
| utm_campaign | キャンペーン名 | 2026_10_blog、2026_03_sale |
| utm_id | キャンペーンのID | 2026q4_seminar |
| utm_term | 検索広告のキーワード | 勤怠管理 |
| utm_content | 同じキャンペーンの中で、クリエイティブやリンクを区別する | banner_a、text_link |
| utm_source_platform | 広告の配信プラットフォーム | 検索広告 360 など |
| utm_creative_format | クリエイティブの種類 | display、video |
| utm_marketing_tactic | ターゲティングの施策 | remarketing |
公式のヘルプは、utm_source・utm_medium・utm_campaignの3つを必ず付けるよう案内しています。なお、utm_creative_formatとutm_marketing_tacticは、2026年10月時点ではGA4のプロパティのレポートには表示されません。
utm_mediumの値で、GA4のチャネルが決まる
GA4は、参照元とメディアの値から、訪問を「デフォルト チャネル グループ」に振り分けます。参照元とメディアのどちらもルールに当てはまらない場合は、「未割り当て(Unassigned)」になります。
主なチャネルと、utm_mediumの値の対応は次のとおりです(2026年10月時点。デフォルト チャネル グループ(別タブで開く))。
| チャネル | utm_mediumの値(いずれか) |
|---|---|
| オーガニック ソーシャル | social、social-network、social-media、sm、social network、social media(参照元がソーシャルサイトの場合も含む) |
| 有料検索 | 参照元が検索サイトで、メディアが「cp」を含む(cpcなど)・ppc・retargeting・「paid」で始まる |
| 有料ソーシャル | 参照元がソーシャルサイトで、メディアが「cp」を含む・ppc・retargeting・「paid」で始まる |
| 有料その他 | メディアが「cp」を含む・ppc・retargeting・「paid」で始まり、ほかの有料のチャネルに当てはまらない |
| メール | email、e-mail、e_mail、e mail(参照元に入れた場合も含む) |
| 参照 | referral、app、link |
| アフィリエイト | affiliate |
| ディスプレイ | display、banner、expandable、interstitial、cpm |
| オーガニック検索 | organic(参照元が検索サイトの場合も含む) |
チャネルの判定では、大文字と小文字は区別されません。ただし、レポートの参照元やメディアの値そのものは、大文字と小文字で別の値として集計されます。Facebook と facebook は、チャネルは同じでも、参照元の行は2つに分かれます。
Google広告などGoogleの広告サービスからの訪問は、utm_mediumではなく、各サービスの設定(キャンペーンの種類など)でチャネルが決まります。
よくある例:同じ媒体が、別々の流入元に分かれる
UTMを付けたリンクと付けていないリンクが混ざると、同じ媒体からの訪問が、GA4では別々の参照元・メディアとして集計されます。Facebookの場合、たとえば次のように分かれます。
| 参照元 / メディア | どのような訪問か |
|---|---|
| facebook / social | 自社が投稿したリンク(UTMあり) |
| facebook.com / referral | パソコン版のFacebookから(UTMなし) |
| m.facebook.com / referral | モバイル版のFacebookから(UTMなし) |
| l.facebook.com / referral | Facebookのリンクの転送用のURLを経由(UTMなし) |
UTMがないリンクでは、GA4はリンク元のドメインをそのまま参照元にします。ほかの人がシェアしたリンクや、自社の投稿でUTMを付け忘れたリンクは、こうした行に入ります。そのため、1行目だけを見ると、Facebookからの訪問を少なく見積もってしまいます。チャネル(「オーガニック ソーシャル」など)ではまとめて数えられますが、参照元・メディアの行では分かれます。LinkedIn(linkedin / social と linkedin.com / referral)や、X(x / social と t.co / referral)でも同じことが起きます。
ほかの人のシェアには、UTMを付けられません。割れた参照元は、集計するときにまとめ直します(後述)。
決められた値を使えば、正しいチャネルに入る
たとえば、noteの記事から自社のサイトへのリンクに utm_source=note&utm_medium=referral を付ければ、「referral」は「参照」のチャネルの値なので、その訪問は「参照」に入ります。
反対に、utm_medium=article のような決められていない値を付け、参照元もソーシャルサイトや検索サイトに当てはまらない場合は、その訪問は「未割り当て」に入ります。
UTMパラメータの命名ルールの作り方
流入元の割れを防ぐには、付ける前に命名ルールを決め、表にして社内で共有します。
ルールの例
| 決めること | ルールの例 |
|---|---|
| 文字の種類 | すべて小文字の英数字。日本語や空白は使わない |
| 区切り | 単語の区切りはアンダースコア(_)にそろえる |
| utm_source | サービス名を1つに決める(facebook。facebook.comやfbは使わない) |
| utm_medium | GA4のチャネルの値から選ぶ(social、email、cpc、display、referral など) |
| utm_campaign | 施策の名前。「年月_施策」など形を決める(2026_10_seminar) |
| utm_content | 同じキャンペーンでリンクを分けたいときだけ使う |
媒体ごとの値の表
実際に使う値は、媒体ごとに表にしておきます。次は表の例です。
| 施策 | utm_source | utm_medium | utm_campaign |
|---|---|---|---|
| SNSへの記事の投稿(Facebook) | social | 2026_10_blog | |
| SNSへの記事の投稿(LinkedIn) | social | 2026_10_blog | |
| SNSへの記事の投稿(X) | x | social | 2026_10_blog |
| メールマガジン | newsletter | 2026_10_newsletter | |
| Meta広告 | paid_social | 2026_10_seminar |
utm_mediumは、GA4のチャネルの値に合わせます。たとえば utm_medium=paid_social が「有料ソーシャル」に入るのは、utm_sourceがfacebookやlinkedinのようなソーシャルサイトの場合だけです。広告の管理画面に用意されているURLのパラメータの設定を使えば、キャンペーン名などを自動で入れることもできます。
UTMパラメータを付けない場所
サイト内のリンク
自社のサイトの中のリンク(トップページのバナーから記事へ、など)には付けません。サイト内のリンクにUTMを付けると、検索や広告から来た訪問が、途中から別の流入元として記録されることがあるため、避けます。サイト内のバナーの効果を見たい場合は、クリックをイベントとして計測します。
Google広告のリンク
Google広告は、自動タグ設定(URLに gclid を付ける機能)が、アカウントを作ったときから有効です。GA4では、自動タグ設定と手動のUTMの両方がある場合、自動タグ設定が優先され、UTMで上書きはできません(自動タグ設定について - Google 広告 ヘルプ(別タブで開く))。
Google広告とGA4をリンクしていれば、キャンペーンや検索語句はGA4に入るため、Google広告のリンクにUTMを付ける必要は基本的にありません。Google広告とGA4のデータを合わせて分析する方法は、「Google広告とGA4をBigQueryで統合分析する方法(別タブで開く)」で解説しています。
UTMパラメータ付きのURLの作り方
GA4のURL生成ツールを使う
Googleの「キャンペーン URL 生成ツール(別タブで開く)」に、リンク先のURLと各パラメータを入力すると、UTM付きのURLができます。1本ずつ作るときに向いています。
スプレッドシートで作る
本数が多い場合は、スプレッドシートで作ると、命名ルールの表と一緒に管理できます。A列にリンク先、B〜D列にutm_source・utm_medium・utm_campaignを入れ、E列で組み立てます。
=A2&IF(REGEXP_MATCH(A2,"\?"),"&","?")&"utm_source="&LOWER(B2)&"&utm_medium="&LOWER(C2)&"&utm_campaign="&LOWER(D2)
LOWER で小文字にそろえ、リンク先にすでに ? がある場合は & でつなぎます。B〜D列は、命名ルールの表から選ぶ形(データの入力規則のプルダウン)にすると、表記ゆれを防げます。
作ったURLは、一度ブラウザで開き、GA4の「リアルタイム」のレポートで、意図した参照元とメディアで記録されるかを確かめます。
崩れた流入元を、BigQueryで集計し直す
UTMの付け方をそろえても、ほかの人のシェアやアプリからの訪問は割れたまま記録されます。過去のデータもさかのぼって直せません。そこで、集計するときに、参照元をまとめ直します。
GA4のデータをBigQueryに書き出している場合は、次のSQLで、Facebook・LinkedIn・Xの参照元をまとめられます(your-project.analytics_123456789 は自社のデータセットに、example.com は自社のドメインに置き換えます)。
WITH sessions AS (
SELECT
user_pseudo_id,
(SELECT value.int_value FROM UNNEST(event_params) WHERE key = 'ga_session_id') AS session_id,
ANY_VALUE(session_traffic_source_last_click.cross_channel_campaign.source) AS source
FROM `your-project.analytics_123456789.events_*`
WHERE _TABLE_SUFFIX BETWEEN '20261001' AND '20261026'
AND device.web_info.hostname = 'example.com'
GROUP BY 1, 2
)
SELECT
CASE
WHEN REGEXP_CONTAINS(LOWER(source), r'^(facebook|fb)$|(^|\.)facebook\.com$') THEN 'facebook'
WHEN REGEXP_CONTAINS(LOWER(source), r'^linkedin$|(^|\.)linkedin\.com$|^lnkd\.in$') THEN 'linkedin'
WHEN REGEXP_CONTAINS(LOWER(source), r'^(x|twitter|t\.co|x\.com|twitter\.com)$') THEN 'x'
ELSE LOWER(source)
END AS source_group,
COUNT(*) AS sessions
FROM sessions
GROUP BY source_group
ORDER BY sessions DESC
まとめ方の決まりは、SQLの中に書いておけば、毎回同じ基準で集計できます。よく使う集計は、ビューや集計用のテーブルにしておくと、データポータル(旧Looker Studio)やClaudeからも同じ数字を見られます。GA4のデータをClaudeで分析する方法は、「ClaudeでGA4を分析する方法(別タブで開く)」で解説しています。
GA4の画面だけで分析する場合は、管理画面の「チャネル グループ」で独自のチャネル グループを作り、参照元の条件でまとめる方法もあります。
まとめ
- UTMパラメータ:URLの末尾に付けて、流入元・媒体・キャンペーンをGA4に伝える。utm_source・utm_medium・utm_campaignの3つは必ず付ける
- utm_medium:GA4のチャネルの値(social、email、referral、cpc など)から選ぶ。参照元・メディアのどちらもルールに合わないと「未割り当て」になる
- 命名ルール:小文字・区切り・媒体ごとの値を表にして共有する。参照元の値は大文字と小文字で別に集計される
- 付けない場所:サイト内のリンクと、自動タグ設定が有効なGoogle広告のリンク
- 崩れたとき:ほかの人のシェアなどで割れた参照元は、BigQueryのSQLなどで集計するときにまとめ直す
流入元の数え方がそろっていないと、広告やSNSの施策を、問い合わせや受注まで含めて比べることができません。UTMの付け方は、施策を比べるための土台です。
株式会社INVOXは、データ基盤の構築、データ分析の支援、AIエージェントの開発を行っています。GA4・広告・CRMのデータをBigQueryに統合し、流入元の定義をそろえて分析できる環境の構築までを支援しています。
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