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Claude Dashboardsの使い方|BigQueryのデータでKPIダッシュボードを作ってみた

佐藤 恒株式会社INVOX 代表取締役 CEO

Anthropicは2026年10月8日、Claudeにデータについて質問するとダッシュボードを作成する「Claude Dashboards」をベータ版として公開しました(Introducing Claude Dashboards and Claude Motion(別タブで開く))。

BigQueryなどのデータウェアハウスに接続しておけば、SQLを書かなくても、依頼文だけでKPIのダッシュボードを作れます。

本記事では、Claude Dashboardsでできることを公式の情報で整理したうえで、Search ConsoleとGA4のデモ用のデータでKPIダッシュボードを作った手順を紹介します。注意点と、Claude Code+Google Apps Script(以下、GAS)で自分で作る方法との使い分けもあわせて解説します。

検索・サイトKPIのダッシュボード。フォーム送信59件、セッション4,678、検索クリック2,303、検索の表示回数36,712を前の28日と比べたカードと、日別の推移のグラフ

Claudeで作成したKPIダッシュボード(デモ用のデータ)

Claude Dashboardsとは

Claude Dashboardsは、自社のデータについての質問を日本語などの普段の言葉で伝えると、ClaudeがグラフごとにSQLを書き、接続したデータに対して実行してダッシュボードを作る機能です。作ったダッシュボードは、アーティファクトとして「Artifacts」のタブに保存されます(Get started with Claude Dashboards(別タブで開く))。

公式のヘルプでは、すばやく探索的に確かめたい問いに向いた機能と位置づけられています。より深い分析は、ほかのツールに送って行う想定です。

以下は2026年10月時点の情報です。

何ができるか

  • 依頼文からダッシュボードを作る:問いと、わかっていればテーブル名を伝えると、Claudeがグラフと集計を組み立てます
  • 数字の根拠を確かめる:グラフごとにクエリを表示でき、何を数えているかと、データがいつ更新されたかを確認できます
  • 自動で更新する:作ったダッシュボードは、Claudeが更新し続けると説明されています(発表の記事(別タブで開く))
  • チャットで直す:「フィルタを足して」のように、チャットで依頼すれば修正されます(Get started with Claude Dashboards(別タブで開く))
  • ほかのツールに送る:Amplitude、Grafana、Hex、Mixpanel、Omni、Perplexity、PostHog、Sigmaに送れます。Databricks Genie、Looker、monday.com、Tableauは対応予定とされています(発表の記事(別タブで開く))

対応するデータ

公式のヘルプで挙げられている接続先は次のとおりです。

  • データウェアハウス:Amazon Redshift、BigQuery、ClickHouse、Databricks、Snowflake
  • Claudeに接続したほかのアプリ:Salesforceなど

BigQueryをClaudeに接続する手順は、「ClaudeとBigQueryを連携する方法(別タブで開く)」で解説しています。本記事ではその接続(コネクタ「Google Cloud BigQuery」)を使いました。

使えるプランとオーナーの設定

  • Pro・Max・Team・Enterpriseのプランで、ベータとして使えます
  • Enterpriseでは初期状態でオフになっており、オーナーが「組織設定」→「Artifacts」のTemplatesの欄で有効にします。前提として、「機能(Capabilities)」のCloud code execution and file creationもオンにしておく必要があります
  • Enterpriseでは、カスタムロールで、Dashboardsのテンプレートを使えるグループを絞ることもできます
  • ダッシュボードの作成は、プランの使用量の上限に含まれます

オーナーの設定の詳細は、Artifacts admin guide for Team and Enterprise plans(別タブで開く)にまとまっています。

共有と閲覧者の権限

ダッシュボードは、作成した時点では本人しか見られません。「共有」から共有します(Share artifacts(別タブで開く))。

コネクタを使うアーティファクトについて、公式のヘルプには次のように書かれています。

  • 接続したアプリからデータを読むアーティファクトは、作成者ではなく閲覧者の接続を使う
  • 閲覧者がデータにアクセスできない場合、その部分はデータの代わりにエラーを表示する
  • 「リンクを知っている全員」での共有はできない
  • 閲覧するには、Claudeのアカウントが必要

つまり、共有した相手にも、Claudeのアカウントと、BigQueryの該当のデータを読める権限が必要です。相手も自分のClaudeで、コネクタ「Google Cloud BigQuery」を接続しておきます(「ClaudeとBigQueryを連携する方法(別タブで開く)」)。

Team・Enterpriseでは、オーナーが「機能(Capabilities)」のVisualsで、アーティファクトからコネクタを使う設定(Enable artifact connectors)を有効にしておく必要があります(Artifacts admin guide(別タブで開く))。

Claude DashboardsでKPIダッシュボードを作ってみた

ここからは、2026年10月13日にダッシュボードを作った手順を紹介します。

データは、当社が用意した架空の会社「C社」(BtoBの人事労務SaaS)のデモ用のデータです。BigQueryのデータセット demo_dashboard に、次の2つのテーブルを置きました。期間は2026年7月1日〜10月10日です。

  • search_console_page_daily:ページ別・日別の検索の表示回数・クリック・平均順位(Search Consoleを想定)
  • ga4_daily:日別のセッションとフォーム送信(GA4を想定)

手順1:Artifactsから「Dashboard」を選ぶ

claude.aiの「Artifacts」を開くと、「Make something new」にDocs・Slides・Design・Dashboardが並んでいます。Dashboardには「Beta」と表示されています。

Dashboardのカードを選ぶと説明が開くので、「Start with a prompt」を選びます。

claude.aiのArtifactsの画面。Make something newにDocs、Slides、Design、Dashboard(Beta)のテンプレートが並び、Dashboardの説明にStart with a promptのボタンがある

Artifactsの「Make something new」とDashboardの説明(2026年10月時点の画面)

「What should this dashboard show?」と書かれた入力欄が開き、下に「Dashboard」の印が付きます。チャットの入力欄の「Output」から「Dashboards」を選んで始めることもできます(Get started with Claude Dashboards(別タブで開く))。

What should this dashboard show?と書かれた入力欄。下にDashboardの印と、モデルのOpus 5.5、自動の設定が表示されている

Dashboardの印が付いた入力欄(2026年10月時点の画面)

Dashboardが表示されない場合は、プランと、組織のオーナーの設定(Templatesの欄、Enterpriseではカスタムロール)を確かめてください。

手順2:依頼文を送る

入力欄に次の依頼文を送りました。テーブル名、期間、指標、比べ方を具体的に書いています。

プロンプト例
BigQuery のプロジェクト(your-project)のデータセット demo_dashboard にある2つのテーブル(search_console_page_daily:ページ別・日別の検索の表示回数・クリック・平均順位、ga4_daily:日別のセッションとフォーム送信)を使って、KPI ダッシュボードを作ってください。直近28日の検索の表示回数・クリック・セッション・フォーム送信を前の28日と比べ、日別の推移と、ブログ記事(/blog/)ごとの表示・クリック・平均順位を並べてください。

プロジェクト名は、記事では伏せています。送信すると、Claudeがテーブルの中身を確かめながら集計を進めます。

手順3:クエリの実行とコネクタの権限を許可する

Claudeがクエリを実行するときに確認を求めるかどうかは、入力欄の右下にある「自動」「手動」の設定で変わります。今回は「自動」だったため、確認は表示されませんでした。

当社のサイトのデータで先に試したときは「手動」の設定で、「ClaudeがGoogle Cloud BigQueryのExecute sql readonlyを使用します」という確認が3回ほど表示されました。実行するクエリの本文が表示され、「拒否する」「常に許可する」「1回だけ許可する」から選びます。どのクエリが実行されるかを確かめたい場合は、「手動」にしておきます。

設定にかかわらず、完成すると「このアーティファクトはコネクタを使用します」というダイアログが表示されます。ダッシュボードがBigQueryと通信してよいかを確認するもので、「続ける」で許可すると、ダッシュボードに数字が入ります。

このアーティファクトはコネクタを使用しますというダイアログ。Google Cloud BigQuery(読み取りと変更が可能)のスイッチと、1個のツールを開いた一覧にExecute sql readonlyがあり、下に続けるボタンがある

アーティファクトにコネクタの権限を付与するダイアログ。「1個のツール」を開いた状態(2026年10月時点の画面)

手順4:完成したダッシュボードを確かめる

依頼文を送ってから、約5分で「検索・サイトKPI」というダッシュボードができました。上から、前の28日と比べた4つの指標、日別の推移、ブログ記事ごとの表が並びます。

直近28日(9月13日〜10月10日)は、フォーム送信が59件(前の28日比+13.5%)、セッションが4,678(+13.0%)、検索のクリックが2,303(+17.1%)、検索の表示回数が36,712(+12.3%)でした。

日別の推移は、直近28日を実線、前の28日を同じ曜日の並びで破線にして重ねています。曜日をそろえる工夫は、依頼文には書いていません。

フォーム送信、セッション、検索クリック、検索の表示回数の日別の推移のグラフ。直近28日の実線と前の28日の破線を重ね、週末に下がる波が見える

日別の推移(デモ用のデータ)

ブログ記事ごとの表には、依頼した表示回数・クリック・平均順位に加えて、表示回数の前期比、CTR、順位の変化の列も入りました。見出しをクリックすると並び替えられます。

ブログ記事ごとの検索成績の表。記事のURLごとに表示回数、表示の前期比、クリック、CTR、平均順位、順位の変化が並んでいる

ブログ記事ごとの検索成績(デモ用のデータ)

右上には「Updated now」のような更新の時刻と更新ボタン、全画面表示、「共有」のボタンがあります。チャットと並べて表示し、そのまま修正を依頼できます。

左にチャット、右に完成した検索・サイトKPIのダッシュボードを並べた画面。右上に更新の時刻と共有ボタンがある。依頼文のプロジェクト名と、Claudeの最初の返答はぼかしている

チャットと並べて表示した画面(デモ用のデータ)

グラフの元のクエリを確かめる

ダッシュボードの右上にあるデータベースの形のアイコンを押すと、元のデータの一覧(Sources)が開きます。今回は「直近28日 vs 前の28日」「日別の4指標」「ブログ記事別の検索成績」の3つが並びました。

それぞれを開くと、どのテーブルを読むかの説明、実行するクエリ(projectIdとSQL)、結果、使ったツール(Google Cloud BigQueryのexecute_sql_readonly)が表示されます。数字が意図どおりかは、ここでSQLを読んで確かめます。

Sourcesで直近28日 vs 前の28日を開いた画面。読み込むテーブルの説明、projectIdとSQL、Google Cloud BigQuery・execute_sql_readonly、Resultが表示されている。projectIdとSQLの一部はぼかしている

Sourcesでクエリを開いた画面(2026年10月時点の画面。projectIdとSQLの一部はぼかしています)

Claudeが自分から伝えてきたこと

完成後のチャットで、Claudeは集計の前提を説明しました。依頼文には書いていなかった判断も含まれています。

  • 集計の終わりの日:両方のテーブルの最新が10月10日のため、データの最終日から28日を数えた。新しいデータが入れば、期間も自動でずれる
  • 平均順位:日別の平均順位を、表示回数で重み付けした平均
  • 追加した列:頼まれた列に加えて、前期比・CTR・順位の変化を入れた

試した画面では、期間の切り替えなども頼めば追加できると案内されました。また、各データの行は「Sources」からCSVでダウンロードでき、編集できる人はSourcesでSQLを編集・テストして保存したり、以前の版に戻したりできる、との説明もありました。これらは公式のヘルプでは確認できなかったため、今後変わる可能性があります。

Claude Dashboardsを使うときの注意点

ベータ版である

2026年10月時点で、Claude Dashboardsはベータ版です。画面や機能、対応するデータは変わる可能性があります。業務の定点観測に使う場合は、変更に気づける体制にしておきます。

閲覧者の権限で集計される

前述のとおり、コネクタを使うダッシュボードは閲覧者の接続を使います。今回もClaudeから、「ダッシュボードは開くたびにBigQueryから読み込み、見ている人自身の権限を使う」と説明がありました。

共有する相手には、BigQueryの該当のデータセットを読める権限を付与する必要があります。明細のデータは見せずに集計結果だけを共有したい、という使い方には向きません。

数え方の決めごとは、依頼で伝えて結果を確かめる

当社のサイトのデータで試したときは、Claude Code+GASで作った既存のダッシュボードと比べて、検索の表示回数・セッション・お問い合わせのどれも、数字が少しずつ違いました。

主な原因は、数え方の決めごとの違いです。Claudeの版は検索タイプをウェブ検索だけに絞り、フォームのテスト送信を除いていませんでした。GAS版はテスト送信を除いています。セッションの差の原因は、確かめていません。

このときClaudeは、「お問い合わせをgenerate_leadとform_submitのどちらで数えるか確認してほしい」と自分から指摘しました。迷う点を伝えてくれる一方で、伝えなかった決めごとは反映されません。

どちらが誤りというより、社内の決めごとがClaudeには伝わっていないということです。テスト送信の除外、検索タイプ、対象のホストなどは依頼文で伝え、完成したら、グラフのクエリと既存のレポートの数字を見比べてください。

権限のダイアログの表示と、実際に使うツール

コネクタの権限を付与するダイアログでは、Google Cloud BigQueryに「読み取りと変更が可能」と表示されました。一方で、展開した「1個のツール」は読み取り専用のExecute sql readonlyでした。

表示だけを見ると不安になりますが、ダッシュボードが使うツールは確認できます。念のため、接続に使うGoogleアカウント自体にも、BigQueryへの書き込みの権限を与えないでおくと安全です(「ClaudeとBigQueryを連携する方法(別タブで開く)」)。

BigQueryのクエリの費用

Claudeの説明では、ダッシュボードは開くたびに閲覧者の権限で集計し直します。その場合、閲覧の回数だけBigQueryのクエリが実行されると考えられます。発表の記事(別タブで開く)には、データの変化に合わせて更新し、グラフごとに最後に更新した時刻を表示するとだけ書かれています。BigQueryのクエリは、読み込んだデータ量に応じて課金されます(BigQueryの料金(別タブで開く))。

GA4の書き出しのように大きなテーブルを読む場合は、期間を絞るか、集計用のテーブルを用意してそこを読ませると費用を抑えられます。費用の調べ方は、「BigQueryの料金が高い原因と下げ方(別タブで開く)」で解説しています。

Claude Code+GASで作る方法との使い分け

当社は、Claude Codeでダッシュボードのコードを書き、GASのウェブアプリとして公開する方法も使っています(「Claude Codeでダッシュボードを作成する方法(別タブで開く)」)。今回の2つを比べると、次のような違いがあります。

Claude Dashboards Claude Code+GAS
作る手間 依頼文を送るだけ。今回は約5分 コードを生成させ、デプロイする
閲覧者の権限 閲覧者にClaudeのアカウント、BigQueryのコネクタの接続、BigQueryの閲覧権限が要る 作成者の権限で実行するため、閲覧者にBigQueryの権限は要らない
集計の細かな決めごと 依頼文で伝える。伝えなければClaudeの判断になる コードに書いて固定できる
共有範囲 Claudeの共有の設定(組織内など。リンクを知っている全員・メールでの招待は不可) GASの公開の設定(自社のドメイン内など)と、メールアドレスでの絞り込み
費用 Claudeの有料プラン。更新のたびにBigQueryのクエリ(Claudeの説明では開くたび) Claude Codeの有料プラン。GASは追加の費用なし。キャッシュでクエリを減らせる
カスタマイズ チャットで依頼する コードで書けるものなら自由に作れる

Claude Dashboardsが向いているのは、まず数字を見てみたい場合や、BigQueryの権限を持つメンバーどうしで探索的に確かめたい場合です。作る手間がほとんどかからないため、気になった問いをその場で形にできます。

Claude Code+GASが向いているのは、BigQueryの権限を持たない社内のメンバーにも見せたい場合や、テスト送信の除外のような決めごとを固定して、毎週同じ数字を見たい場合です。

Claude Dashboardsで試して、定点観測にしたい指標が固まったら、Claude Code+GASやLooker Studioで作り直す、という進め方もできます。

まとめ

  • Claude Dashboards:依頼文から、グラフごとのSQLを書いてダッシュボードを作る機能。2026年10月時点でベータ。Pro・Max・Team・Enterpriseで使え、Enterpriseはオーナーが有効にする
  • 対応するデータ:BigQuery、Snowflake、Amazon Redshift、Databricks、ClickHouseと、Salesforceなどの接続したアプリ
  • 作ってみた結果:Search ConsoleとGA4を想定したデモ用のデータで、約5分でKPIダッシュボードができた。Claudeは集計の期間や追加した列などの前提を自分から説明した
  • 注意点:閲覧者の権限で集計される。数え方の決めごとは依頼で伝え、既存の数字と見比べる。更新のたびにBigQueryのクエリが実行される(Claudeの説明では開くたび)
  • 使い分け:探索的に確かめるならClaude Dashboards、権限を持たない人への共有や決めごとの固定にはClaude Code+GAS

どの方法でダッシュボードを作っても、数字の信頼性は、元のデータがBigQueryに正しく、自動で集まっているかで決まります。広告・GA4・CRMのデータが分かれたままでは、Claudeに依頼しても集計できる範囲が限られます。

株式会社INVOXは、データ基盤の構築、データ分析の支援、AIエージェントの開発を行っています。広告やGA4、CRMのデータをBigQueryに統合し、Claudeで分析できる環境の構築までを支援しています。

支援の内容は「マーケティング分析(別タブで開く)」で、支援実績は「エンジニアに頼まずに、誰もが自分でデータを引き出せる状態に(別タブで開く)」で紹介しています。

「Claude Dashboardsを自社のデータで使えるようにしたい」「ダッシュボードごとに数字がそろわない」といった課題をお持ちでしたら、お問い合わせください。

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