AI Max(日本語の画面では「AI 最大化設定」)は、Google広告の検索キャンペーンで使える設定です。オンにすると、登録したキーワードの外にある検索語句にも広告を出し、検索語句に合わせて広告文とリンク先のページをAIが選びます。
新しいキャンペーンのタイプではなく、今ある検索キャンペーンの中でオンにします(検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み(別タブで開く))。
動的検索広告(DSA)は、2027年2月から順次AI Maxに移ります。自動作成アセットとキャンペーン単位の部分一致は、2026年9月から移行が始まっています。使っていなくても、近いうちに関わる設定です。
本記事では、AI Maxの機能と制御、オンにする前に確かめること、どの検索語句でどの広告が出たかを見るレポートを解説します。記載の仕様は、2026年10月時点の公式情報に基づきます。
AI Maxの3つの機能
AI Maxは、次の3つの機能でできています。
| 機能 | すること | 単位 |
|---|---|---|
| 検索語句とのマッチング | 登録したキーワード、広告、ランディングページをもとに、関連する検索語句を見つけて広告を出す。キーワードがない検索語句にも出る(キーワードレス) | 広告グループごとにオフにできる |
| テキストのカスタマイズ | 広告やランディングページの文面をもとに、検索語句に合わせた広告の見出しと説明文を作る。以前の「自動作成アセット」 | キャンペーン |
| 最終ページ URL の拡張 | 検索語句に合っていて、成果が見込めると判断したときに、指定したページ以外の自社サイトのページに送る。テキストのカスタマイズがオンのときだけ使える | キャンペーン |
キーワードの部分一致と似ていますが、AI Maxは広告文とリンク先まで検索語句に合わせて変えます。検索の内容に合った広告を、合ったページに出しやすくなる一方で、出稿する範囲や広告の表現を、広告主が細かく決めにくくなります。
Googleは、3つの機能をすべて使った場合、検索語句とのマッチングだけを使った場合と比べ、同じ程度のCPAやROASで、コンバージョン数またはコンバージョン値が平均7%多かったとしています(2026年、小売以外の広告主。Google の発表(別タブで開く))。
広がりすぎを抑える制御
AI Maxには、広告が出る範囲を絞る設定があります(検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み(別タブで開く))。
| 制御 | できること | 単位 |
|---|---|---|
| ブランドの登録 | 指定したブランドに関連する検索語句にだけ出す | 広告グループ・キャンペーン |
| ブランドの除外 | 指定したブランドに関連する検索語句に出さない。自社名で指名検索のキャンペーンと分けるときなどに使う | キャンペーン |
| 関心対象地域 | キーワードがない検索語句でも、地域への関心に基づいて広告を出す | 広告グループ |
| URL の登録 | 最終ページ URL の拡張で選ばれなかったページを、リンク先の候補に入れる | 広告グループ |
| URL の除外 | 採用ページやお知らせなど、広告のリンク先にしたくないページを外す | キャンペーン |
ブランドのリストは、「ツール」→「共有ライブラリ」→「ブランドリスト」で管理します。
テキストのカスタマイズは、自社のサイトの文面をもとに広告文を作ります。サイトに古い料金や終わったキャンペーンの文面が残っていると、それが広告に出る可能性があります。BtoBでは、URL の除外で、採用ページ、ブログ、プライバシーポリシーなど、問い合わせにつながらないページを外しておきます。
動的検索広告などの自動移行の時期
AI Maxへの移行の予定は次のとおりです(Google の発表(別タブで開く)。2026年6月11日の更新で、動的検索広告の時期が2027年2月に延びました)。
| 今使っているもの | 移行の時期 | 移行後にオンになる機能 |
|---|---|---|
| 動的検索広告(DSA) | 2027年2月から | 3つの機能すべて。動的広告グループは通常の広告グループに変わり、URLの設定は引き継がれる |
| 自動作成アセット | 2026年9月から | 検索語句とのマッチング、テキストのカスタマイズ |
| キャンペーン単位の部分一致 | 2026年9月から | 検索語句とのマッチング |
動的検索広告のキャンペーンは、2026年6月15日から再び新しく作れるようになりましたが、2027年1月に作れなくなります(Google Ads Developer Blog(別タブで開く))。移行の前には、アカウントに通知が届きます。
Googleは、自動の移行を待たずに、早めにAI Maxへ切り替えることを勧めています。ただ、自動で切り替わると、比べる期間を自分で選べません。自社の都合のよい時期にテストを組んで、効果を確かめてから切り替えるほうが判断しやすくなります。
オンにする前に確かめること
1. テストで効果を比べる
AI Maxは、Google広告のテストの機能で、オンにした場合と、しない場合を比べられます。キャンペーンの一部にだけ配信し、CPAやコンバージョンの数を比べてから、全体に広げます。
BtoBでは、フォームの送信の数だけで判断すると見誤ることがあります。AI Maxで広がった検索語句からの問い合わせが、商談や受注につながっているかまで確かめます。広告のデータをCRMの商談と結びつける方法は「ClaudeでGoogle広告を分析する方法(別タブで開く)」で解説しています。
2. 予算に制限がかかっていないか
ヘルプでは、予算の制限を受けているキャンペーンでは、AI Maxは効果を発揮しないと説明されています。オンにするときにアラートが出ます。予算を使い切っているキャンペーンでは、新しい検索語句に回す余地がないためです。
3. トラッキング テンプレートが壊れないか
最終ページ URL の拡張でリンク先が変わると、今のトラッキング テンプレートとかみ合わず、404のページや、計測のパラメータが落ちたページに送られることがあります。オンにする前に、{lpurl} を使った書き方になっているかと、実際にどのURLに飛ぶかを確かめます。
UTMパラメータの付け方は「UTMパラメータの付け方(別タブで開く)」で解説しています。
4. 固定したアセットとインテント マッチの扱い
- 最終ページ URL の拡張や URL の登録を使うと、レスポンシブ検索広告で位置を固定したアセットが使われないことがある
- AI Maxに移ると、インテント マッチのキーワードは完全一致として扱われなくなる。完全一致で出したい語は、完全一致のキーワードを追加しておく
レポートで、どの検索語句にどの広告が出たかを見る
AI Maxで、広告主が一番気にするのは「どんな検索語句に、どんな広告文で、どのページに送ったか」です。これは検索語句レポートで確かめられます(AI 最大化設定のレポートについて(別タブで開く))。
検索語句と広告の組み合わせ
検索語句レポートの表の上にある「検索語句」のプルダウンで、表示を切り替えます。
| 表示 | 分かること |
|---|---|
| 検索語句 | 検索語句ごとの成果 |
| 検索語句と広告の組み合わせ | 検索語句ごとに、表示した広告の見出し、ランディングページ、キャンペーン、広告グループ |
| 動的検索広告の検索語句 | 動的検索広告で出た検索語句 |
| 動的検索広告の検索語句とランディング ページ | 動的検索広告の検索語句と、送ったページ |
「検索語句と広告の組み合わせ」は、以前「検索語句と AI 最大化設定によるランディング ページ」と呼ばれていた表示です。2026年9月にヘルプでの名前が変わり、10月中旬から一部のアカウントの画面に出始めたと、海外の広告運用の媒体で報じられています(Search Engine Land(別タブで開く))。まだ出ていないアカウントもあります。
この表で、費用の大きい検索語句から順に、見出しとページが検索の意図に合っているかを見ます。合っていない組み合わせがあれば、行を選んで除外キーワードや除外URLに加えます。
そのほかの列とレポート
| 場所 | 見るところ |
|---|---|
| 検索語句レポートの「マッチタイプ」列 | 「AI 最大化設定」で絞ると、AI Maxで見つけた検索語句の成果が分かる。「その他の検索語句」は含まれないので、少なく見えることがある |
| 検索語句レポートの「ソース」列 | AI Max由来の一致かどうか |
| キーワード レポートの下の集計行 | AI Maxの拡張一致と、ランディングページによる一致の、合計の成果 |
| ランディング ページ レポートの「選択方法」列 | 最終ページ URL の拡張で選ばれたページかどうか |
| アセット レポートの「提供者」列 | Googleが作った広告文には「Google AI」と出る。合わないものは削除できる |
Googleが作った広告文は、Google 広告の画面からはまとめて削除できません。まとめて消すときは、Google 広告エディタかGoogle Ads APIを使います。
AI Maxを使うかどうかの判断
当社の考え方では、次のような場合は、AI Maxをテストする価値があります。
- キーワードを広げる余地がまだある(扱う商品やサービスの数が多い、言い換えが多い)
- 予算に余裕があり、新しい検索語句に回せる
- ランディングページが、検索語句ごとに合ったページとして使える状態になっている
逆に、指名検索だけのキャンペーンや、広告文の表現に法律や業界の規制がかかる商材では、テキストのカスタマイズと最終ページ URL の拡張は慎重に扱います。検索語句とのマッチングだけを使う、URL の除外とブランドの除外で範囲を決める、といった使い方もできます。
Google広告では、2026年10月から、検索パートナーやディスプレイに予算をどう回すかを決める機能も加わっています(「Google広告のチャネルの優先順位付けと予算配分(別タブで開く)」)。どちらも、配信の範囲をAIに広げさせつつ、上限を広告主が決める設計です。
まとめ
- AI Maxとは:検索キャンペーンの中でオンにする設定。検索語句とのマッチング、テキストのカスタマイズ、最終ページ URL の拡張の3つでできている
- 制御:ブランドの登録・除外、関心対象地域、URL の登録・除外で、広がる範囲を絞れる
- 移行:自動作成アセットとキャンペーン単位の部分一致は2026年9月から、動的検索広告は2027年2月からAI Maxに移る
- オンにする前に:テストで比べる、予算の制限、トラッキング テンプレート、固定したアセットとインテント マッチの扱いを確かめる
- レポート:検索語句レポートの「検索語句と広告の組み合わせ」で、検索語句・見出し・ランディングページの組み合わせを確かめ、合わないものは除外する
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