「検索からの流入が減った」「順位が下がったらしい」。オウンドメディアやサービスサイトを運営していると、こうした変化に気づく場面があります。
ただ、クリックが減った原因は、順位の下落とは限りません。検索される回数そのものが減った場合や、順位は同じでもクリックされにくくなった場合もあり、原因によって打つ手はまったく違います。
本記事では、検索のクリックが減ったときに、原因を4つの型に分けて調べる方法を解説します。
そのうえで、デモ用のデータを使い、Search Consoleのデータをページと検索語ごとに比べて原因を切り分けた例と、Claudeに依頼するときの前提・プロンプトの例、原因ごとの対処を紹介します。
検索のクリックが減る4つの型
Search Consoleでは、ページと検索語ごとに、表示回数・クリック・CTR・平均掲載順位がわかります。クリックが減ったときは、ほかの3つの指標がどう動いたかで、原因を次の4つの型に分けられます。
| 型 | 表示回数 | 平均掲載順位 | CTR | 主な原因 |
|---|---|---|---|---|
| 順位の下落 | 減る | 下がる | 下がる | ページの変更、競合のページ、検索エンジンの評価の変化 |
| 需要の減少 | 減る | 変わらない | 変わらない | 季節、話題の終わり、検索のされ方の変化 |
| CTRの低下 | 変わらない | 変わらない | 下がる | 検索結果の表示の変化、タイトルや説明文 |
| インデックスの問題 | ほぼ0になる | — | — | noindexの誤設定、削除・URLの変更、クロールの問題 |
順位の下落
平均掲載順位が下がり、それに伴って表示回数とクリックが減る型です。順位が下がると、検索結果の上のほうに表示されなくなるため、CTRも下がります。
ページのタイトルや本文を変えた直後に起きることが多く、競合のページが評価を上げた場合や、検索エンジンの評価の仕組みが変わった場合にも起きます。
需要の減少
順位は変わらないのに、表示回数が減る型です。その検索語で検索する人が減っています。
季節の影響や、一時的な話題が落ち着いた場合などに起きます。ページを直しても、クリックは戻りません。
CTRの低下
順位も表示回数も変わらないのに、クリックだけが減る型です。検索結果に、広告やAIによる概要(AI Overviews)、ほかの表示が増え、ページのリンクが目立たなくなった場合などに起きます。
タイトルや説明文が、検索した人の意図と合っていない場合にも起きます。
インデックスの問題
ページの表示回数が、ある日を境にほぼ0になる型です。ページがGoogleのインデックスから外れた可能性があります。
noindexの設定の誤り、ページの削除やURLの変更、サーバーのエラーなどが原因になります。
デモ用のデータで原因を切り分ける
ここからは、架空の動画学習のサブスクリプションサービス「Lumina」のデモ用のデータで、原因を切り分けた例を紹介します。
2026年3月16日〜4月12日の4週間と、その前の4週間(2月16日〜3月15日)を比べました。
ページと検索語の組み合わせごとに比べる
サイト全体の数字だけを見ると、原因の違う変化が打ち消し合って、見えなくなります。ページと検索語の組み合わせごとに、クリック・表示回数・順位・CTRを比べます。

Claudeで作成した、クリックが減ったページと原因の分類(デモ用のデータ)
サイト全体のクリックは5,826で、前の4週間とほぼ同じでした。しかし、ページと検索語の組み合わせごとに見ると、4つの組み合わせでクリックが合計520減っていました。ほかのページの増加で、減少が隠れていたことになります。
4つの組み合わせは、減り方の型がそれぞれ違います。
- /courses/english/business-english ×「ビジネス英語 アプリ」:平均掲載順位が6.8位から10.8位に下がり、クリックが206減った。順位の下落
- /lp/free-trial ×「オンライン学習 サブスク」:順位と表示回数はほぼ同じで、CTRが3.9%から2.5%に下がった。CTRの低下
- /blog/figma-vs-xd ×「Figma XD 違い」:3月20日以降、表示がない。インデックスの問題の可能性
- /blog/reskilling-30s ×「リスキリング とは」:順位は変わらず、表示回数が約半分になった。需要の減少
順位が下がったページを詳しく見る
順位の下落に当たる「ビジネス英語 アプリ」について、日別の順位を端末ごとに並べました。

Claudeで作成した、「ビジネス英語 アプリ」の順位の推移(デモ用のデータ)
順位は3月16日ごろから、どの端末でも約4位下がっています。特定の端末だけの問題ではありません。
施策の記録を確かめると、3月13日に、このページのタイトルと見出しを変更していました。変更の時期と、順位が下がり始めた時期が近いため、変更の内容を確かめるのが次の手順です。
このように、Search Consoleのデータで「いつから」「どの組み合わせで」「どの型か」までを絞り込み、施策の記録と照らし合わせると、原因の見当が付きます。
原因ごとの対処
順位の下落
- 自社で変更した場合:変更の前後で、タイトル・見出し・本文から何が消えたかを確かめます。検索語に対応する内容を削っていた場合は、戻すか補います
- 変更していない場合:同じ検索語で上位に来ているページを確かめ、内容の不足や古さがないかを比べます
- 多くのページで同時に下がった場合:検索エンジンの評価の仕組みが変わった可能性があります。GoogleのSearch Status Dashboard(別タブで開く)のランキングの履歴で、同じ時期にコアアップデートなどがあったかを確かめます
需要の減少
ページを直す必要はありません。季節による変化であれば、前の年の同じ時期と比べて確かめます。需要が戻らない検索語であれば、関連する別の検索語で記事を増やすことを検討します。
CTRの低下
実際に検索して、検索結果の表示がどう変わったかを確かめます。ページのタイトルや説明文が、検索した人の知りたいことに答えているかも見直します。
インデックスの問題
Search ConsoleのURL検査で、ページがインデックスに登録されているか、登録されていない理由は何かを確かめます。noindexの設定や、URLの変更に伴うリダイレクトの漏れを直したら、インデックス登録をリクエストします。
Claudeで原因を切り分ける方法
Search ConsoleのデータをBigQueryに書き出しておくと、ページと検索語ごとの比較をClaudeに依頼できます。書き出しと接続の手順は、「ClaudeでサーチコンソールとGA4を分析する方法(別タブで開く)」で解説しています。
前提として渡すこと
前提の例
・Search Consoleのデータは、ページ・検索語・日・端末ごとの表示回数・クリック・平均掲載順位
・平均掲載順位は、表示回数で重み付けした平均で集計する
・比べる期間は、直近の28日と、その前の28日。Search Consoleのデータは2〜3日遅れるため、最新の日はデータがある最後の日にそろえる
・施策の記録(ページの変更日と内容)は、別のシートにある
指示の例
プロンプト例
直近の28日と、その前の28日を比べて、ページと検索語の組み合わせごとに、クリック・表示回数・平均掲載順位・CTRの変化を出してください。クリックの減少が大きい順に並べ、それぞれを「順位の下落」「需要の減少」「CTRの低下」「インデックスの問題」のどれに当たるか分類してください。
プロンプト例
「順位の下落」に分類した組み合わせについて、日別の平均掲載順位を端末ごとに折れ線グラフにしてください。順位が下がり始めた日と、施策の記録にあるページの変更日を並べてください。
プロンプト例
直近14日間に表示回数が0になったページを一覧にしてください。それぞれ、表示がなくなった日と、その前の28日間の表示回数・クリックも出してください。
結果を確かめる
- 件数の少ない組み合わせを除く:表示回数が数十回の組み合わせは、順位やCTRが大きくぶれます。一定の表示回数以上の組み合わせに絞ります
- 期間の端を確かめる:最新の数日は、データがそろっていない場合があります
- 分類は目安として扱う:複数の型が重なっている場合もあります。最後は、実際の検索結果やURL検査で確かめます
検索順位の下落を調べるときの注意点
平均掲載順位は、表示された回数の平均
Search Consoleの平均掲載順位は、表示されたときの順位の平均です。新しい検索語で低い順位に表示され始めると、ページの平均掲載順位は下がって見えます。順位の変化は、検索語ごとに見ます。
原因を1つに決めつけない
同じ時期に、ページの変更と検索エンジンのアップデートが重なることがあります。施策の記録、Search Status Dashboard、上位のページの変化をあわせて確かめます。
施策の記録を残しておく
原因の特定で最も効くのは、「いつ、どのページの、何を変えたか」の記録です。タイトルの変更やページの統合、URLの変更などを、日付とともに残しておきます。
まとめ
検索のクリックが減ったときは、表示回数・平均掲載順位・CTRの動きから、原因を4つの型に分けます。
- 順位の下落:変更の内容と上位のページを確かめる
- 需要の減少:ページは直さず、季節や話題の変化を確かめる
- CTRの低下:検索結果の表示と、タイトル・説明文を見直す
- インデックスの問題:URL検査で状態を確かめ、設定を直す
サイト全体の数字では、原因の違う変化が打ち消し合って見えなくなります。ページと検索語ごとに比べる集計をClaudeに任せ、施策の記録と照らし合わせて原因を確かめるのがおすすめです。




