Google広告のMCPサーバーをClaudeにつなぐと、管理画面を開いたりCSVを書き出したりせずに、チャットでGoogle広告の成果を確かめられます。
Google広告APIのチームは、公式のMCPサーバー「Google Ads MCP Server」をGitHubで公開しています(Google Ads MCP Server(別タブで開く)、GitHub(別タブで開く))。
本記事では、このMCPサーバーでできることと、Claudeにつなぐ手順を解説します。以下はすべて2026年10月時点の情報です。
Google広告のMCPサーバーでできること
Google広告のMCPサーバーは、Google広告APIを通じて、広告アカウントのデータを読み取ります。使えるツールは次の3つです。
| ツール | できること |
|---|---|
list_accessible_customers |
認証したGoogleアカウントで見られる広告アカウントのIDと名前の一覧を返す |
search |
GAQL(Google広告APIの問い合わせ言語)で、成果の指標・予算・配信の状態などを取得する |
get_resource_metadata |
キャンペーンなどのリソースで、どの項目を取得できるかを返す |
Claudeは、聞かれた内容に合わせてGAQLを組み立て、search で取得した結果をもとに回答します。GAQLを書けなくても、「今週のキャンペーン別の成果を出して」と日本語で頼めば使えます。
できないこと
- 広告アカウントの変更:読み取り専用です。入札の変更、キャンペーンの停止、広告の作成はできません
- Google広告以外のデータ:GA4・ほかの広告媒体・CRMのデータは扱えません
- APIで取れない項目:管理画面で見られる項目でも、Google広告APIで取れないものは扱えません
提供の形
Googleがサーバーを用意するサービスではなく、自社で動かすサーバーです。動かし方は2つあります。
| 手元のPCで動かす | Cloud Run に置く | |
|---|---|---|
| 使えるClaude | Claude Desktop・Claude Code | Web版のClaude(claude.ai)を含む、カスタムコネクタを使えるClaude |
| 向いている使い方 | 1人で試す | チームで共有する |
| 準備 | pipx と gcloud CLI | 自社の Google Cloud に Cloud Run をデプロイする |
Googleが接続先を用意する形は、許可された参加者だけの試験提供です。
始める前に準備すること
Google Cloud プロジェクトとAPIのアクセスレベル
Google広告APIを有効にした Google Cloud プロジェクトが必要です。
本番の広告アカウントのデータを見るには、プロジェクトに Explorer 以上のAPIのアクセスレベルが必要です。Google Cloud コンソールの Google広告APIの概要ページで確かめ、なければ申請します。Explorer では、本番のアカウントに1日2,880回まで問い合わせられます(開発者トークン(別タブで開く))。
開発者トークンは2026年9月9日に廃止され、APIの利用権限は Google Cloud プロジェクト単位になりました。以前のように、Google広告の管理画面で開発者トークンを申請する必要はありません。
OAuth の同意画面
Google Cloud コンソールの「APIとサービス」→「OAuth 同意画面」で、次の2つを設定します。
- 「データアクセス」の「スコープを追加または削除」で、
https://www.googleapis.com/auth/adwordsを追加します - 同意画面が「テスト」の状態のときは、「対象」の「テストユーザー」に、接続に使うGoogleアカウントを追加します
手元のPCで動かしてClaudeにつなぐ手順
Claude Desktop か Claude Code で、1人で試すときの手順です。
手順1:pipx と gcloud CLI を入れる
MCPサーバーはPythonで動きます。pipx(Pythonのツールを動かすためのツール)と、Google Cloud の gcloud CLI を入れておきます。
手順2:OAuth クライアントを作り、認証する
Google Cloud コンソールの「APIとサービス」→「認証情報」で、種類が「デスクトップ アプリ」の OAuth クライアントを作り、JSONファイルをダウンロードします。
そのファイルを使って、ターミナルで次のコマンドを実行し、ブラウザで広告アカウントを見られるGoogleアカウントにログインします。
gcloud auth application-default login \
--scopes https://www.googleapis.com/auth/adwords,https://www.googleapis.com/auth/cloud-platform \
--client-id-file=ダウンロードしたJSONファイルのパス
認証情報は、ADC(アプリケーションのデフォルト認証情報)のファイルとして保存されます。
手順3:Claudeの設定ファイルにMCPサーバーを書く
Claude Desktop では設定ファイル claude_desktop_config.json(Mac では ~/Library/Application Support/Claude/ にあります)に、Claude Code ではプロジェクトの .mcp.json に、次の設定を書きます(ローカルのMCPサーバーにつなぐ手順(別タブで開く)、Claude Code のMCPの設定(別タブで開く))。
{
"mcpServers": {
"google-ads-mcp": {
"command": "pipx",
"args": [
"run",
"--spec",
"git+https://github.com/googleads/google-ads-mcp.git",
"google-ads-mcp"
],
"env": {
"GOOGLE_PROJECT_ID": "Google Cloud のプロジェクトID",
"GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS": "ADCのファイルのパス"
}
}
}
}
MCC(クライアントセンター)経由で広告アカウントを見る場合は、env に GOOGLE_ADS_LOGIN_CUSTOMER_ID(MCCのID)も足します。
手順4:つながったかを確かめる
Claude Desktop を再起動するか、Claude Code を起動し直して、次のように聞きます。
プロンプト例
google-ads-mcp で何ができますか。私がアクセスできる広告アカウントの一覧も出してください。
広告アカウントの一覧が返れば、接続できています。
Cloud Runに置いてWeb版のClaudeから使う手順
チームで共有したい場合や、Web版のClaudeから使いたい場合は、MCPサーバーを自社の Google Cloud の Cloud Run に置き、Claudeのカスタムコネクタとして追加します。エンジニアの協力があると確実です。
- MCPサーバーのコンテナを作り、Cloud Run にデプロイします。コマンドは公式の手順(別タブで開く)のとおりです
- 種類が「ウェブ アプリケーション」の OAuth クライアントを作り、そのIDとシークレットを Cloud Run の環境変数に設定します
- OAuth クライアントの「承認済みのリダイレクト URI」に、Claudeの
https://claude.ai/api/mcp/auth_callbackを追加します - Claudeの「カスタマイズ」→「コネクタ」を開き、「+」ボタンから「カスタムコネクタを追加」を選び、Cloud Run のURLの末尾に
/mcpを付けたものを入力します。OAuth のクライアントIDとシークレットには、手順2のものを入力します
OAuth の環境変数を設定せずに、認証なしの公開(--allow-unauthenticated)でデプロイしてはいけません。その場合、サーバーは Cloud Run のサービスアカウントの権限で動き、URLを知っている誰もが広告アカウントのデータを見られる状態になります。
Claudeのカスタムコネクタの使い方は、Anthropicのヘルプ(Get started with custom connectors using remote MCP(別タブで開く))で説明されています。
Google広告のMCPサーバーで使えるプロンプト例
聞くときは、広告アカウントのIDと期間をはっきり書くと、回答が安定します。
今週の成果の確認
プロンプト例
広告アカウント 123-456-7890 の直近7日間の成果を、キャンペーン別に費用・クリック数・コンバージョン数・CPAで並べてください。前の7日間との差も出してください。
費用の多いキャンペーンの内訳
プロンプト例
直近7日間で費用の多いキャンペーン上位5つについて、端末別(PC・スマートフォン・タブレット)の費用とCPAを出してください。
予算と配信の状態の点検
プロンプト例
配信中のキャンペーンの1日の予算と、直近7日間の1日あたりの平均費用を並べてください。予算に対して費用が少なすぎるもの、予算の上限で止まっていそうなものを挙げてください。
検索語句の確認
プロンプト例
直近14日間で、費用が5,000円以上かかったのにコンバージョンが0件の検索語句を、キャンペーン別に一覧にしてください。
使うときの注意点
費用の単位と期間を確かめる
Google広告APIは、費用を「マイクロ」という単位(1円 = 1,000,000)で返します。Claudeはふつう円に直して答えますが、桁が合わないときは単位の換算を確かめます。
期間も、「直近7日間」に今日を含めるかなどでずれます。管理画面の数字と比べるときは、日付の範囲をはっきり指定します。
長い期間の明細は、BigQueryに貯めて分析する
MCPサーバーは、聞くたびにGoogle広告APIに問い合わせます。前年との比較や、何か月分もの検索語句の明細を扱うと、時間がかかるうえ、APIの回数の上限にも近づきます。
長い期間の分析や、GA4・ほかの広告媒体・受注のデータと組み合わせた評価には、Google広告のデータをBigQueryに毎日転送し、BigQueryをClaudeにつなぐ方法が向いています。手順は「ClaudeでGoogle広告を分析する方法(別タブで開く)」で解説しています。
CSVの添付・MCPサーバー・BigQueryの3つの方法の比較は「Google広告をAIで分析する3つの方法(別タブで開く)」で、Meta広告やTikTok広告などほかの媒体の公式のMCPサーバーとの違いは「広告のMCPサーバーまとめ(別タブで開く)」で紹介しています。
広告のデータがAIに渡ることを社内で確認する
MCPサーバーを通じて取得したデータは、つないだAIに渡ります。社外のAIに広告アカウントのデータを渡してよいか、使うClaudeのプランでデータがどう扱われるかを、社内の決まりと照らして確かめておきます。
また、Google広告のMCPをうたうサーバーには、公式ではない会社や個人のものも多くあります。広告アカウントの権限を外部のサービスに預ける前に、提供元とデータの保存先を確かめます。
まとめ
- Google広告のMCPサーバー:Google広告APIのチームがGitHubで公開している公式のサーバー。キャンペーンの成果や予算・配信の状態を読み取れるが、変更はできない
- 準備:Google広告APIを有効にした Google Cloud プロジェクト(本番のアカウントには Explorer 以上のアクセスレベル)と、OAuth の設定が要る。開発者トークンは不要になった
- つなぎ方:1人で試すなら手元のPCで動かし、Claude Desktop・Claude Codeから使う。チームやWeb版のClaudeで使うなら、Cloud Run に置いてカスタムコネクタとして追加する
- 注意点:費用の単位と期間を確かめる。長い期間の分析や、ほかのデータとの組み合わせはBigQuery経由で行う
株式会社INVOXは、データ基盤の構築、データ分析の支援、AIエージェントの開発を行っています。Google広告を含む複数の広告媒体のデータと、GA4・CRMのデータをBigQueryに統合し、ClaudeやChatGPTで分析できる環境の構築を支援しています。
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